葛根湯(かっこんとう)

[外来でよく使われる漢方薬] 2021/03/30
監修:井齋偉矢先生(日高徳洲会病院院長/サイエンス漢方処方研究会理事長)

構成生薬

  • 葛根(かっこん)
  • 大棗(たいそう)
  • 麻黄(まおう)
  • 甘草(かんぞう)
  • 桂皮(けいひ)
  • 芍薬(しゃくやく)
  • 生姜(しょうきょう)

作用の特徴

咽頭(のど)以外の上半身の炎症や筋肉のこわばり、慢性じんましん、食物アレルギーに有用

対象となる症状

  • 肩こり
  • 頸部リンパ節炎
  • 上半身神経痛
  • 乳腺炎
  • 眼精疲労
  • 慢性じんましん
  • 食物アレルギー ほか

解説

 葛根湯(かっこんとう) は「初期のかぜ薬」として用いられることの多い漢方薬ですが、かぜ症状の改善については、切れ味が鈍いことも少なくありません。
 葛根湯には咽頭(のど)を除く上半身の炎症と筋肉のこわばりを迅速に緩和する作用があります。たとえば肩こり、緊張型頭痛、頸部リンパ節炎、神経痛や背中の痛み、眼精疲労、耳下腺炎、乳腺炎などに薬効が発揮されます。
 また、意外に知られていませんが、アレルギー反応を鎮める作用もあり、慢性じんましん、食物アレルギーに用いられます。

 服用は1回1包、1日3回を基本として3日間程度、様子を見るのがよいとされています。食物アレルギーには葛根湯に加えて、柴胡清肝湯(さいこせいかんとう) を1回1包、1日3回、14日間服用すると、より効果が高まります。

 なお、長期間にわたって服用する場合は偽アルデステロン症、ミオパチー、肝機能障害、黄疸などの副作用に注意が必要です。

エビデンス情報

抗炎症作用

 組織が損傷を受けたとき、細胞からはプロスタグランジンという物質が生成されます。このプロスタグランジンは痛み、熱、腫れなどの症状が生じる「炎症」を引き起こします。
 葛根湯の抗炎症効果としては、ウサギの細胞(培養アストロサイト)を用いた試験において、ブラジキニンによるプロスタグランジンE2(PGE2)の生成と遊離を抑制したこと1) 、C6ラットグリオーマ細胞において、PGE2遊離促進を抑制したことがあげられます2)

抗アレルギー作用

 むくみを持つマウス(羊赤血球誘発遅延型足蹠浮腫反応(SRBC-DTH)マウス)に葛根湯を経口前投与したところ、浮腫が抑制されました3)

参考

  • 1) Kutsuwa M, et al. Phytomedicine 1998; 5 (4): 275
  • 2) Nakahata N, et al. 和漢医薬学雑誌 1998; 15 (2): 116
  • 3) 松田秀秋ほか. 和漢医薬学会誌 1990; 7(1): 35
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