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<月経に潜む『未病』と漢方 編集後記>月経の不快、「しょうがない」「当たり前」だとあきらめないで!

公開日:2022.02.18
カテゴリー:病気と漢方

みなさんは、月経について周囲の方たちとどのくらい話をするでしょうか。
女性同士なら「生理痛が重い」「経血量が多い」といった話や、布ナプキンや月経カップなど「こんな生理用品を使っている」といった話題が出ることもあるかもしれません。
しかし、痛みや経血量は個人によって程度が違ううえ、その捉え方も個人差が大きいものです。「本当の辛さを周囲には理解してもらえない」「毎月のことなので、学校や仕事も休みにくい」という方も多いのではないかと思います。
女性は初潮を迎えてから閉経(平均50.5歳)までの約40年、月に3〜7日間、月経と共に過ごします。これは、生涯のうち10年近くにもなる計算です(3360日)。月経の度ごとに「鎮痛剤を服用しなくてはならない」「月経が重い2〜3日目は寝込むほどで仕事や勉強が手に付かない」「夜はおむつタイプのナプキンが手放せない」そんなことがもう何年、何十年と続いているという人は、ぜひ下村貴子先生の記事(月経痛・過多月経…未病の本質を見極め漢方でアプローチ月経痛の強さ・経血量が目安に 月経に潜む「未病」には漢方薬と養生を)を読んでいただきたいと思います。

月経の話を「恥ずかしい」と思っていた

下村先生によると、正常な月経は「12歳ごろに初潮を迎え、25〜38日周期で、月経期間が3〜7日以内、経血量は1回あたり20〜140gが目安。本来月経の痛みはないもの、もしくはあっても不快を感じるほどではない」といいます。
20gは大さじで一杯ちょっと、140gは栄養ドリンク1本分くらいが目安です。

月経前から月経中にかけて、まったく痛みや不快を感じることなく過ごせる人は少ないのではないかと思います。
実は私自身も、快適な月経期間を過ごせたことがほとんどありません。
初潮を迎えてからは、量が多く経血が漏れてしまって下着や洋服が汚れてしまい、恥ずかしい思いをすることが何度もありました。さらに月経痛のために常に2〜3日目は鎮痛剤を服用し、夜はおむつタイプのナプキンという生活はもう何十年も続いています。さらに腹痛だけでなく、頭痛やだるさなどもあり、勉強や仕事が手につかなくなるような日もあります。

しかしながら、周囲の人に自分の状態を詳しく話すこともありませんでしたし、特に漏れて下着や洋服を汚したなんてことは、恥ずかしくて家族以外にはむしろ言いたくありませんでした。同じように月経の話をすることを「恥ずかしい」と感じる人は多いのではないかと思います。また、家族も体質が似ていたので月経が重いのは「当たり前」と思って過ごしてきました。その時その時を薬などでごまかして乗り切ればいい、そんな考えを持っていました。
まさに下村先生のいう「不調に慣れた」状態だったのだと思います。

ピルを服用していた時期もありますが、下村先生も「ピルは本治(病気の根本治療)とは言えない」とおっしゃっているように、私の場合も快適だったのは服用していたときだけ。服薬を止めた途端にひどい月経痛が再燃し経血量も増え、根本的な解決にはなりませんでした。

こうして見て見ぬふりをしたまま過ごしていたときに、子宮頸がんが見つかりました。
がんだけでなく、子宮筋腫や子宮内膜症など、女性特有の疾患が増えたことは、下村先生も指摘されています。これは、晩婚化や少子化で生涯の月経回数が増えたことも一因とされています。
病気になってしまうと、手術などの治療が必要になる場合もありますし、妊娠や出産の妨げになる可能性も出てきてしまいます。

かかりつけ医を持ち、自分の体のサインを無視しないこと

自分の体のサインを無視しないこと。これが月経と上手に付き合っていくコツなのではないかと思います。下村先生も「自分自身の取り扱い説明書」を作ることをすすめられています。私自身も、月経痛や量の多さは相変わらずではありますが、月経期間中は、大事な予定を入れない、漢方薬や鍼灸などを利用する、お風呂にゆっくり浸かって温まるなどして、以前よりはうまく月経と向き合えるようになってきました。

また、自分自身のことは意外と自分でよくわからなかったりするものです。
私自身は若いころ、冷え性の自覚はありませんでしたが、かかりつけ医の先生に診ていただいたところ「かなり冷えている」と言われたことがあります。
こうしたときに大きな手助けとなってくれるのが、かかりつけ医です。年代によって変化する体調を客観的に診て、解決の糸口を一緒に探し、適切な対処法をアドバイスしてくれます。いまや月経の不快は、けして我慢するしかないものではありません。
下村先生もおっしゃっていた「心身ともに健康で、日々の生活に活気が満ち溢れている状態」を作るためにも、自分自身を知ること、長くお付き合いのできるかかりつけの婦人科を持つことをおすすめします。(大場真代)

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