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診療・治療ガイドラインに掲載された漢方薬(2)喘息・咳嗽(がいそう)

公開日:2017.05.18
カテゴリー:漢方ニュース

喘息―麦門冬湯、柴朴湯

 喘息は、息をする時にゼーゼー、ヒューヒューという音や、咳・痰、息苦しさを伴う発作を繰り返す病気です。特に夜間から早朝にかけて喘息発作は出現しやすいといわれています。2003年に全国で実施された厚労省の調査では、小児の11~14%、15歳以上の6~10%が喘息にかかっているといわれています。厚生労働科学特別研究事業 診療ガイドラインのデータベース化に関する研究班が2004年に発行した、「EBMに基づいた喘息治療ガイドライン2004」(協和企画)では、麦門冬湯(ばくもんどうとう) 柴朴湯(さいぼくとう) が掲載されています。

 咳過敏症の気管支喘息(咳感受性の亢進している気管支喘息)に対し、同ガイドラインでは麦門冬湯について「行うことを強く推奨」としています。

 また、アスピリンが原因となるアスピリン喘息や気管支喘息に対し、同ガイドラインでは柴朴湯について「有意に気道炎症の改善効果を認め、不安や抑鬱状態の改善も認めた。」とし、「行うことを推奨」としています。

咳嗽(がいそう)-麦門冬湯、小青竜湯

 咳嗽(がいそう)とは、気道内に溜まった分泌物や入り込んだ異物(ウィルスなど)を体外に排出しようとする身体の防御反応です。痰を伴わない“からぜき”は乾性咳嗽と呼ばれ、痰を伴う咳は湿性咳嗽と呼ばれます。日本呼吸器学会が2012年に発行した、「咳嗽に関するガイドライン第2版」(メディカルレビュー社)では、麦門冬湯と小青竜湯(しょうせいりゅうとう) が掲載されています。

 乾性咳嗽に対し、同ガイドラインでは麦門冬湯について、「咳の強度を有意に改善させた」「咳スコアが有意に低かった」とし、「行うよう勧められる」としています。また、感染後の咳に対し、同ガイドラインでは「感染後咳嗽は、通常自然軽快するが、遷延した場合の薬物療法としては、中枢性鎮咳薬、ヒスタミンH1受容体拮抗薬、抗コリン薬、麦門冬湯などが用いられる。感染後咳嗽は、薬物治療後に比較的速やかには軽快する」とし、「行うほうがよい」としています。さらに、湿性咳嗽に対し、同ガイドラインでは「小青竜湯は偽薬に比して咳の回数、咳の強さ、喀痰の切れを有意に改善させた」とし、「行うよう勧められる」としています。

診療・治療ガイドラインに掲載された漢方薬

  1. 認知症・心身症
  2. 喘息・咳嗽(がいそう)
  3. 全身性強皮症
  4. 前立腺肥大症・男性下部尿路症状

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