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現場の薬剤師は漢方薬をどう見ているか

公開日:2011.10.13
カテゴリー:漢方ニュース
 漢方薬に関して、医師や患者に対するアンケート調査はしばしば見られるが、薬剤師に対して(特化して)その実態を調べたものは意外に少ない。
 そこで、医療現場で実際に漢方薬の処方箋監査、疑義照会、調剤、服薬指導をしている薬剤師にアンケートを行い、漢方薬をどのように見ているのか、西洋薬との違いはあるか、などについてその実態を明らかにした。

漢方薬に関する患者さんからの「質問・相談」で、数年前と比べて最近増えたと思う内容について、あてはまるものをすべてお選びください。

患者さんからの質問・相談で最近増えた内容については、「効果」についてが23.8%で最も多かったが、「飲み合わせ」(20.5%)や、「副作用」(17.9%)といった、安全性に関する質問・相談が増えてきていることが分かった。また、「どれも増えていない」と回答した薬剤師も36.4%にのぼった。

漢方薬について、あなたはどのように学習・情報収集していますか。過去1年以内に実施したことについて、あてはまるものを全てお選びください。

漢方薬の学習、情報収集の方法は、「メーカーや卸が出している情報誌・パンフレット」と「インターネットでの情報収集」が最も多く、それぞれに37.2%であった。また、「薬学書を用いた学習」も32.0%と多く、時間に縛られず能動的に学習・情報収集できる手段が利用されているようである。

漢方薬について、「不足がちな情報のうち」あなたにとって特に必要性が高い情報は何ですか。具体的に教えてください。

9割以上の薬剤師が何らかの「必要だが不足がちな情報」と回答。具体的な記述内容の分析の結果、「適応外処方」に関する情報が不足して困っている薬剤師が17.1%に達した。
加えて、「証」や「生薬・成分別の効能」といった、漢方薬ならではの情報や、併用時の注意点に関する情報を欲している薬剤師も多くみられた。

【結論概要】 薬剤師は漢方薬に対して“難しさ”を感じている

 この集計結果から見えたものは、「漢方薬に対する患者サイドの意識の高まり」と、薬剤師が「漢方薬に対して“難しさ”を感じていること」の2点であった。

 西洋薬と異なるアプローチで患者に処方されることも多い漢方薬は、非常に高度かつ有機的な知識が求められる。加えて、患者サイドの意識も、副作用や飲み合わせの問題などの「安全性」の問題を中心に、ここ数年向上しており、薬剤師には、漢方薬に関する知識の向上とともに、納得のいく説明スキルが求められている。しかしながら、多くの薬剤知識を有する薬剤師にとっても、漢方薬は“奥の深い”分野であると実感しており、「証」や「適応」含め、より多くの情報を得ることで、患者さんに対して“薬のプロフェッショナル”として、正しい情報を伝えていきたいという意欲があることが分かった。

詳しい調査内容は以下のpdfファイルより
漢方・生薬に関する薬剤師アンケート 調査リポート

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