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便秘で長年悩み「いつもトイレで、新聞を読み終えてしまう」という女性

[外科医が使って知った漢方薬の魅力「意外と効くもんだ」] 2011/11/01

便秘で長年悩み「いつもトイレで、新聞を読み終えてしまう」という女性

 頑固な便秘に悩んでいた56歳の女性である。これまで市販の便秘薬をたくさん試してきたものの、薬によっては非常にお腹が痛くなるし、薬によっては飲んだかどうか解らないほど効果を感じなかったという。お腹が痛くなったとしても、便がちゃんと出るならばまだしも、まったく出ないでお腹だけが痛くなる薬もあったそうである。
 当然医師に相談したことはある。医師からも今まで何種類か下剤を処方されて、試したことがあった。お腹が痛くなって下痢をしてしまう薬や、お腹は痛くならないもののスッキリとした便が出ないものなど、なかなか症状改善には至らないと悩んでおられた。
 この患者さんは、「トイレに行くときにはまず、その日の新聞を片手に持ち、気合を入れて行く」のだと言う。なんと1回のトイレの間に、その日の新聞を読み終えてしまうほど頑張っている。しかし、それでも不発なことがある。そのため今度は漢方薬で何とかならないかと相談を受けた。
 便秘症は、比較的漢方薬が有効なことが多い疾患である。弱々しい感じの人に処方する薬から、ガッチリした感じの人に処方する薬まで、たくさんの種類の漢方薬がある。弱々しい感じの人に、ガッチリした感じの人用の薬を処方すると、お腹が痛くなることがある。そのため、まずは弱々しい人用の薬から処方することにしている。
 この患者さんにも、麻子仁丸(ましにんがん) というマイルドな下剤のエキス剤を処方した。下剤に関しては、1日1回から始めてもらうようにしている。量が多くなると、やはり腹痛の原因になることがあるからだ。1日1パック(2.5g)では効果を感じられない場合には、2パック、3パックと増量したり、もっとガッチリした人用の薬に変更したりする。
 この女性の場合は、麻子仁丸を1日1パックを寝る前に内服し始めて数日で、効果を実感してもらうことができた。今までトイレの中で新聞と仲良しだったこの患者さんは、トイレのときに全く新聞を必要としなくなったという。毎日快調に過ごせると言ってくれた。
 しばらく麻子仁丸を続けていたが、あるとき急に忙しくなり麻子仁丸の内服を出来ない日が数日続いた。すると、またしても頑固な便秘に逆戻りしてしまった。麻子仁丸を再び飲むようにしてからは、快調な状態を維持している。
 漢方薬で便秘が解消した場合、薬を止めても便通が良いこともあるが、この患者さんのように、飲み続けた方が良い場合もあるようである。

堀口定昭(ほりぐち さだあき) 愛世会愛誠病院・下肢静脈瘤センター

2002年帝京大学医学部卒業、2008年より愛誠病院にて血管外科医として勤務しながら整形外科と漢方を学ぶ。
血管外科の外来で漢方薬を使うようになってから、本格的に漢方を学ぶようになり、2010年より血管外科と漢方内科を兼務。
日本外科学会専門医、日本脈管学会専門医。
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