麻子仁丸(ましにんがん)

[外来でよく使われる漢方薬] 2022/03/28
監修:井齋偉矢先生(日高徳洲会病院院長/サイエンス漢方処方研究会理事長)

構成生薬

  • 麻子仁(ましにん)
  • 大黄(だいおう)
  • 枳実(きじつ)
  • 杏仁(きょうにん)
  • 厚朴(こうぼく)
  • 芍薬(しゃくやく)

作用の特徴

腸管の蠕動運動を促す
乾燥した便が潤って自然な便が楽に出る

対象となる症状

  • 活動性のある、腸管機能がそれほど落ちていない高齢者の便秘
  • 病後の便秘

解説

 漢方薬には、便秘を改善する作用のあるものがいくつもあります。便秘の原因やそれぞれの人の体質に合わせて処方されます。麻子仁丸(ましにんがん) は、腸管や便が乾燥して便が出にくくなっている人に対し、腸の蠕動運動を促し、腸や便を潤わせることで、自然に排せつを促すことのできる漢方薬です。乾燥して便が硬くなるタイプの便秘は高齢者に多く、麻子仁丸は高齢者に多く用いられるほか、透析患者などにも用いられることがあります。

エビデンス情報

高齢者の弛緩性便秘に対する潤腸湯と麻子仁丸の有効性

 通常の状態では排便がなく弛緩性便秘と診断した32例の高齢者に対し、ランダム化比較試験(クロスオーバー法)を用いて高齢者の慢性便秘によく使用される潤腸湯(じゅんちょうとう)と麻子仁丸の効果を比較しました1)。それぞれの排便措置(緩下剤投与及び浣腸施行)回数を評価し、排便措置が不要となったものを著効、回数減を有効、措置不変を無効としたところ、有効率は潤腸湯61.3%、麻子仁丸74.2%で、麻子仁丸が優れる傾向を認めました。また、麻子仁丸は、特に体力が低下している例でより高い効果を示すことが示唆されました。

参考

  • 1) 石岡忠夫. 漢方の臨1996; 43: 1431-1437
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