漢方で便秘を改善させよう!~“たかが便秘”と自己流で悪化させないために(3)便秘の治療でよく使われる漢方薬
公開日:2018.06.01
カテゴリー:漢方ニュース
便秘治療でよく使われる漢方薬を紹介します。漢方薬による便秘治療は「作用の強いものから弱いものまでラインナップが豊富」「西洋薬では対処できない腹痛や腹部膨満などの周辺症状にも対応できる」「作用機序が分子レベルで解明されるようになった」などの理由から、漢方専門医だけでなく多くの医師に再認識されています。
大黄甘草湯
大黄甘草湯(だいおうかんぞうとう)は比較的効果が強い漢方薬です。ただし、甘草が入っているため、高齢の患者さんでは血中カリウム値などが異常な状態になる場合があり、注意が必要です。
麻子仁丸
麻子仁丸(ましにんがん)は大黄甘草湯同様、比較的効果が強い漢方薬です。甘草が入っていないので高齢者に処方されることの多い漢方薬です。ウサギの糞のような硬い便の人向きです。
潤腸湯
潤腸湯(じゅんちょうとう)は中等度の作用を持つ漢方薬です。便を柔らかくすることに加え、適切に腸の動きも刺激します。軽症から中等度の便秘には非常に満足度が高い漢方薬です。
桂枝加芍薬大黄湯
桂枝加芍薬大黄湯(けいしかしゃくやくだいおうとう)は、腹部膨満感などの便秘周辺症状がある人に使われます。
防風通聖散
防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん)は、便秘薬としての作用は弱く、じわっと効いてきます。2週間ほどでバナナのようなしっかりした便になるので、患者さんの満足度も高いです。
大建中湯
大建中湯(だいけんちゅうとう)は便秘薬としての作用はそれほど強くはありませんが、下腹部の重み・痛み・張りなどの便秘周辺症状に非常に重宝されます。
漢方で便秘を改善させよう!~“たかが便秘”と自己流で悪化させないために