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漢方のミカタ~漢方専門医が教える症状別 漢方コラム 第1回「アレルギー性鼻炎(花粉症)」

[漢方ニュース] 2014/03/25

 “漢方の味方”漢方専門医の芝大門いまづクリニックの今津先生に、症状別に漢方医学の“見方”や処方される漢方薬などを解説いただきます。
 1回目は今や国民病といっても過言ではない花粉症。くしゃみ、鼻水、鼻づまり・・・春の行楽シーズンを楽しく過ごすための漢方のミカタを聞いて見ました!

どんな症状?どんな病気?

 症状が出る時期により通年性と季節性に分けられ、季節性の多くは花粉が原因であるため「花粉症」と呼ばれています。通年性アレルギー性鼻炎の原因にはハウスダストやダニなどが主な原因として挙げられます。最も特徴的な症状は「くしゃみ」「さらさらした鼻汁」「鼻づまり」の3つ。それ以外にも咽頭部や眼のかゆみや異物感、流涙、頭痛、皮膚炎のような症状などさまざまな症状が現れます。

【西洋医学のミカタ】
それぞれの症状に合わせて薬を使い分ける

 それぞれの症状に応じたお薬や治療を行います。鼻汁が主体の場合は抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬、鼻づまりが主体の場合はアレルギー反応を中和させる飲み薬や、点鼻薬、炎症が強い場合はステロイド薬などが使われます。治りにくい患者さんには、家塵(ハウスダスト)や花粉を少量ずつ定期的に注射してアレルギー反応を鈍感にさせる減感作療法という方法もあります。また、鼻のなかに構造上の異常がある場合(骨が曲がっている、鼻の通路が狭くなっているなど)は、手術が鼻炎の治療の手助けとなる場合もあります。

【漢方医学のミカタ】
「水」のバランスを正常に直すという考え方。しかし、一番大切なのは「未病を治す」こと

 花粉症やアレルギー性鼻炎の代表的な症状である鼻水や涙目。両方ともその主たる成分は「水」です。これらのさまざまな症状は、体内の水分バランスが崩れ、ある部分に集中していることが原因と捉えています。これを漢方医学では「水毒」と呼びます。ちなみに、鼻づまりも鼻の粘膜に水分が集まりすぎてしまったことが原因で起こると考えられています。これらの症状を治すためには、体の水分のバランスを整える利水効果のある小青竜湯(しょうせいりゅうとう) 麻黄湯(まおうとう) 麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう) 苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう) 五苓散(ごれいさん) などの漢方薬がよく使われます。しかし、アレルギー性鼻炎、特に近年患者さんが増加している花粉症を克服するためには、普段からの体質改善努力が必要です。しっかりとした睡眠をとり、暴飲暴食を避け、健康な体でシーズンを迎えること。そして、いざシーズンが始まったら、「薬を飲んでるから大丈夫」と思わず、マスクやメガネなど、できる限りの防御策を行うことが重要です。

【この症状にはこの漢方薬】

小青竜湯(しょうせいりゅうとう)
鼻症状、喘鳴、咳嗽、呼吸困難などに用いられます。
麻黄湯(まおうとう)
体力が充実した人の熱性疾患の初期などに用いられます。
麻黄附子細辛湯(まおうぶしさいしんとう)
比較的体力が低下した人で冷えがある人の感冒や気管支炎などに用いられます。
苓甘姜味辛夏仁湯(りょうかんきょうみしんげにんとう)
体力のない冷え性の人で、うすい痰が多く症状が長びくときに用いられます。
五苓散(ごれいさん)
水分代謝に異常のある人などに用いられます。

健康コラム 「私、漢方のミカタです」
~Vol.1 秘伝!今津流花粉対策~

 実は私も、長年花粉症に悩まされていました。ですが、ここ数年は、飛散量がとびぬけて多い日以外は、順調に過ごせています。その私が勧める花粉症対策とは・・・。(1)まずは眼鏡やマスクをつける (2)花粉に長く触れない (3)帰宅したら服に付いた花粉をしっかり落とす などの基本的な予防法を徹底することです。「えっ?当たり前では?」と思うかもしれませんが、徹底的に花粉と接しない努力をする。これが一番の基本で一番の重要な部分です。
 これを怠っていては西欧薬も漢方薬も十分に力を発揮することはできません。お薬を使う前にできることは必ず実践しましょう。
 自分のストレス、そして体調の変化に気づくことも大切です。これは他の病気にも言えることですが体調の良し悪しに気づくことで、ストレスにどこまで対応できるのかがわかるようになります。花粉症の場合、花粉がストレスの原因です。体の調子が落ちると、花粉症の症状もひどくなりませんか。花粉症だからその対策だけすればいいという訳ではなく、ご自身の体全体を考えることが重要です。まずは体調を整え、そのうえで調子が悪いときには外出を控えるなど、花粉を避けるためにできることをより厳しく実践しましょう。

今津嘉宏(いまづ よしひろ) 北里大学薬学部・薬学教育研究センター 社会薬学部門

1988年藤田保健衛生大卒、慶應義塾大学医学部外科学教室入局。東京都済生会中央病院外科、慶應義塾大学医学部漢方医学センターを経て11年4月より現職。外科医の父の戸棚に漢方関係の本が並んでいたのがきっかけで、がん治療に漢方を活用するようになった。がん治療認定医機構暫定教育医・外科学会指導医・消化器内視鏡学会指導医・東洋医学会指導医など。
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