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舌は口ほどにモノを言う!?漢方医が行う「舌診」とは?

公開日:2015.08.19
カテゴリー:漢方ニュース 監修:芝大門いまづクリニック院長 今津嘉宏先生

 舌にはさまざまな体の状態が現れます。特に胃や食道などの上部消化管の状態を写す鏡だとも言われています。漢方医学では、必ず舌をチェックします。これを「舌診」といいます。舌を診るのは、うるおいや形、大きさ、色、舌苔の状態、舌の裏の静脈の色や状態。これらから体の状態を判断します。舌からわかる体の状態について、芝大門いまづクリニック院長の今津嘉宏先生に聞きました。

【舌の色】「冷え」の状態を診る

 舌の色は「冷え」の有効なバロメーターです。身体が冷えると、舌の色がだんだんと紫色になってきます。それは、プールに入ると、くちびるが紫色になる人がいるのと同じです。漢方医学でいう「冷え」とは、体内、体表の温度が下がる一般的なものに加えて、発熱時の震えなどで熱を放出していることも指します。軽度の「冷え」は舌の色が紫に、さらに進行すると赤黒い色に変わっていきます。

【舌の外側】歯型は体全体の水分バランスが崩れたサイン

 体の組織の水分が過剰になると、むくみが発生します。これは舌でも同じです。ところが舌の場合は、口の中という閉じた空間でむくみが発生するので、結果として舌の周囲に歯形がつきます。漢方医学では、この歯形がどの程度はっきり出るかによって、体全体の水分バランスの状態を診ます。舌の回りは、身体全体のむくみと消化管機能を表します。消化管障害を起こしていると、消化管粘膜は炎症に伴いむくみを起こし、舌にもむくみが生じます。

【舌苔】上部消化管粘膜の状態を写す鏡

 舌の表面についている白や黄色の苔状のものを舌苔(ぜったい)といいます。舌苔は、口の中の古くなってはがれた細胞や細菌などが舌の上に溜まったものです。口臭の原因のひとつとも言われていますが、しっかりと口の中のケアを行っていても舌苔が見られることがあります。舌苔は上部消化管の粘膜障害と関係があるとも言われていて、胃もたれや胃炎などの症状が起こると現れることもあります。特に黄色になった場合は要注意です。

舌の色 舌苔 舌の回り
良好 紅色 なし 歯型なし
紫色 軽度の歯型あり
不良 暗い朱色 黄色 歯型あり

(監修:芝大門いまづクリニック院長 今津嘉宏先生)

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