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半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)

公開日:2022.02.28
カテゴリー:外来でよく使われる漢方薬 監修:井齋偉矢先生(日高徳洲会病院院長/サイエンス漢方処方研究会理事長)

構成生薬

作用の特徴

のどに何か詰まった感じがあり、気分が優れないというときに用いる
嚥下反射低下の改善には効果がない

対象となる症状

解説

 半夏厚朴湯(はんげこうぼくとう)は、のどに球が詰まっているような感覚のする「ヒステリー球」や、梅の種がつかえているような感覚のする「梅核気(ばいかくき)」と呼ばれる、のどの違和感を解消するのによく用いられる漢方薬です。のどに炎症が起きていない場合でも用いることができます。
 こうした、のどの詰まり感は、一旦気になり始めるとなかなか取れることがなく、気分もふさぎます。ですが、半夏厚朴湯を服用することで、次第にその感覚が薄れていきます。
 また、孤独を好んで家から出たくない人が外交的になって外出するようになることもあります。新型コロナウイルス後遺症による抑うつや不安症状の改善にも用いられます。

エビデンス情報

難治性胃食道逆流症の呼吸器症状に対する半夏厚朴湯併用の有効性の評価

 胃食道逆流症で、通常の西洋医学的療法で消化器症状は改善されるものの、咳、痰、咽喉頭部違和感、軽度呼吸困難などの呼吸器症状が改善されない19例を2群に分け、一方の群のみ西洋医学的療法に加え半夏厚朴湯を6か月間投与の後、6か月間経過観察を行うランダム化比較試験を行いました1)。半夏厚朴湯投与群では非投与群と比較し、1か月後より有意に呼吸器症状の改善が見られました。この有意な改善は、6か月後まで継続し、半夏厚朴湯投与中止後も、呼吸器症状に対する有意な改善効果は 6か月間継続しました。

参考

  • 1) 加藤士郎ほか. 漢方と最新治療 2005; 14: 333-338

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