煎じ薬とエキス剤はどう違う?

[漢方薬とは] 2021/01/25
監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)

 漢方薬には、煎じ薬(煎剤)とエキス剤があります。
 煎じ薬は、細かく刻んだ生薬を処方ごとに調合し、それを水で数十分煮出し、成分を抽出させたものを飲む、伝統的な漢方薬の服用方法です。同じ漢方薬でも、患者さんの症状や病気の度合い、体質や体力、抵抗力など、その人の状態を表す「証(しょう)」などに応じて、配合されている生薬の量を加減できるのが、煎じ薬の最大のメリットです。また、煎じる行為によって患者が治療に参加しているという自覚が生まれ、服薬がなおざりにされにくいというメリットもあります。しかし、煮出す手間など服用するまでに時間がかかってしまう、天候や産地などでばらつきが生じやすい生薬そのものを処方するために病院や薬局等によって品質に差が出やすい、などの問題もあります。

 一方、エキス剤は、医療用漢方製剤とも呼ばれ、一般的な医療現場で多く用いられています。エキス剤は、煎じ薬を濃縮、乾燥、粉末化したもので、携帯のしやすさや、飲みやすさなど、西洋医学の薬剤と同様に扱えるというのが最大のメリットです。子どもや高齢者など、薬剤に敏感な人に少量ずつ使えるという利点もあります。また、それだけではなく、栽培研究などによる高品質な生薬の安定確保、ならびに原料から製品に至る各工程での厳重な製造・品質管理のもとで品質の均一化が図られ、「品質のばらつき」や「変質」といった問題も抑えられるようになっています。

 漢方製剤が薬価基準に収載された1976年以降は、健康保険で処方できる種類が増え、現在は148種類の漢方薬が保険適用になっています。ただし、扱いが楽になったということはその分、ぞんざいに扱われがちになったともいえます。飲み忘れや期限切れなどが生じないよう、気をつける必要があります。

 煎じ薬とエキス剤、生薬の品質の問題を除けば、どちらも漢方薬としての効能に違いはありません。処方される医療機関によっては、煎じ薬とエキス剤を選べることもあります。好みやその時の症状などに応じて、さまざまな漢方薬の形態を試してみるのもよいでしょう。

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