どう違う?サプリメントや韓薬と漢方薬
インターネットのサイトやSNS、雑誌では、ダイエットや健康に関する情報が溢れています。なかには、サプリメントや韓薬(韓方)、漢方薬が同列に扱われていることが少なくありません。
これらにはどのような違いがあるのでしょうか。
サプリメントは「食品」、漢方薬は「医薬品」
サプリメントとは、健康食品に分類される「食品」です。健康の維持や食事で不足している栄養素の補給、美容、ダイエットなどに利用されるものです。
あくまでも食品であり、病気や体の不調を治すものではありません。もし含まれる成分に一定の科学的な根拠があっても、製品としての効果があるとはいえない部分があります。
一方、漢方薬は、一般用/医療用ともに、日本の厚生労働省によって症状や病名に対する効果が認められた「医薬品」です。
漢方薬は植物や鉱物、動物などの生薬を複数組み合わせて作られていますが、その効果は、個々の生薬の総和ではなく、組み合わせによって得られます。組み合わせの違いが「処方」になり、生薬の組み合わせで漢方薬の効果や安全性が変化します。また、それぞれの体質や症状に合わせて使われるため、同じ症状でも異なる漢方薬が処方されることもあります。
医薬品の個人輸入は十分に注意を
生薬を基本とする伝統医学として、ほかに中国の伝統医学である「中医学」、韓国の伝統医学である「韓医学」があり、それぞれ中薬、韓薬を使用します。同じ古代・中国を起源としてはいるものの、日本で独自の発展をとげた漢方医学とは、それぞれ異なった医学体系を形成しており、薬の内容も異なります。
最近ではダイエットなどを目的とした、韓薬をうたう薬の個人輸入が簡単にできるサービスもありますが、日本の法律に基づく安全性や有効性が確認されていないなどのリスクがあります。
また、副作用などが発生しても、迅速に処置ができないこともあります。さらに健康被害などが起きた場合の「医薬品副作用被害救済制度」の対象にはならないということも覚えておきましょう。
海外から医薬品の個人輸入をするときには、イメージの良さ、口コミだけで飛びつかず、事前にこうしたルールを把握し、医師や薬剤師などの専門家と相談のうえ、リスクと必要性を十分に検討してください。