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みうら内科クリニック 三浦義孝院長

[外来訪問] 2016/08/24

~漢方薬の新時代診療風景~
 漢方薬は、一般に知られる処方薬(西洋医学)では対処が難しい症状や疾患に対して、西洋医学を補完する使われ方も多く、今後の医療でもますます重要な役割を果たすと考えられます。
 近年、漢方薬の特性については科学的な解明が進んだこともあって、エビデンス重視の治療方針を取る医師の間でも漢方薬が使用されることが増えています。
 漢方薬を正しく理解して正しく使うことで、治療に、患者さんに役立てたい。日々勉強を重ねる、身近な病院の身近なドクターに、漢方活用の様子を直接伺いました。ドクターの人となりも見えてきます。

患者さんの全体を診て、西洋薬と漢方薬を使い分ける

 基本は糖尿病や甲状腺疾患を診ていますので、いわゆる西洋の薬を使うケースが多いです。漢方薬はメインではありません。ただ、きちんと診断をしたうえで、患者さんの訴えを聞いて、患者さんの身体全体を眺めていかなければならない症状や、特定の臓器に関わるだけではなく、全体の調子が悪いような方には、漢方のアプローチがいいかなと思います。そういう処方は全体の1割くらいでしょうか。
 漢方薬をお出ししている方で一番多いのは、いわゆる女性の体調不良というケースです。更年期に伴うものもあれば、通常の生理に伴って調子が悪いとか、あるいはなんとなく体調がすぐれないという方が結構いらっしゃいます。いろんな診療科に行って検査をしたけど、異常がないと言われて、それでも調子が悪いという方が来られています。あるいはお母さん同士の口コミで、来ていただく方もいらっしゃいます。

診察の前にも後にもしっかりコミュニケーションを取る

 問診はしっかりと、細かくお聞きするようにしています。毎回毎回、長い時間お話しするのは難しいですが、初診の方は生活習慣も含めていろんなことを伺いますし、看護師からも聞いてもらっています。その情報でその人の普段の生活がある程度分かってくると、どこを改善していくと良くなるかがわかってきます。これは糖尿病治療にも共通するところなので大事にしています。
 診療では、漢方薬の飲み方のお話もしています。本来、漢方薬は煎じ薬ですから、温かいお湯で飲むもの。習慣として冷たいお水で飲む方が多いのですが、温い白湯などで飲むことを提案しています。その方が私は効果が倍増する実感があります。

西洋医学的な正常値から外れてしまった患者さんを癒す

 実は、最初から漢方薬を使っていたわけではなかったんです。検査などの値が正常になっているのに、あまりすっきりしないという人がたくさんいらっしゃった。それをどうすればいいのかなということを考えているうちに、漢方薬はどうだろうと思って勉強を始めました。
 実際に、ホルモンは正常だけど調子が悪いという方に漢方薬を使ってみると、元気になったんです。甲状腺機能低下症で、西洋薬を飲んでホルモンの値が正常値になっても、だるさがいつまでたっても抜けない患者さんがいらっしゃいました。他に病気があるのかなと検査しても何も異常がないという時に、漢方薬を使ってみたら、非常によい結果になったのです。医学的に見る数値以上の効果が漢方薬で得られたものですから、より勉強をするようになりました。
 糖尿病治療のメインである血糖を低くするという意味では、漢方薬で下げるのはなかなか難しいです。ただ、それに随伴するような症状を抑えるのに、一番よく使っているのは芍薬甘草湯です。合併症が出てきて足がつる方に出すとすごく楽になって、ぐっすり寝られるようになりました。それが昼間の生活の活動性が上がり、だんだん運動量や食事の改善へのモチベーションも上がるという好循環になりました。そういった意味では芍薬甘草湯はすごくいい薬だと思いますね。
 それ以外では、糖尿病が必ずしも関係しているかどうか分からないですが、ご高齢で冷えが強い方に対する身体を温める漢方薬です。冬場には閉じこもりがちになりますが、漢方薬を使うことで少し手足の冷たさが取れて、動いてみようかという気になる。そんな使い方ですね。また便秘の方への漢方薬。便秘に使う漢方薬は、効果が強いものと、比較的弱い腸を整えるお薬がありますから、薬の量を増やすというよりも、薬を変えていくというやりかたになります。

 私たちが学生時代に習ったのは、正常化を目指すということ。例えば数値が悪い人は正常値にする、医学的な正常値を目指すのが仕事だと思っていました。しかし、必ずしも正常値でなくとも、元気で生活する方がいいかもしれないし、正常値でも不調を感じている方はいるわけです。数値に関係なく、患者さん本人が苦しんでいるところを少しでも軽減すること、それが本来の医師の役割じゃないだろうかと考えるようになりました。
 やはり西洋の薬の発想は、異常値を正常値に戻すことだと思うので、その狭間にあり、あふれてしまうような患者さんを救ってあげるのが、漢方の大きな役割かなと思っています。医療や学問というより、患者さんを癒すのが医師の役割じゃないかと思っています。

目の届く範囲で、丁寧に、誠実に

 大きな野望はありません。やっぱり患者さんの一人ひとりが満足して帰れるようなクリニックは続けていきたいなと思っています。来てよかったなと思ってもらえるようなクリニックでありたいです。ここで出来る限りのことをしようと考えて、高望みはせずに来た人の満足度が高いクリニックにしようと常に心がけています。

みうら内科クリニック

医院ホームページ:http://www.m-cl.jp/

名古屋市営地下鉄東山線「一社」駅より徒歩10分。採光のため窓を広くした待合室は、明るく開放的。ガーデニングと絵が好きな院長先生の趣味を反映して飾られている花や絵画が心を和ませてくれます。駐車場はクリニック敷地内に7台、第2駐車場に5台が利用可能です。詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

内科、糖尿内科、内分泌内科

三浦義孝(みうら・よしたか)院長略歴
昭和59年 名古屋大学医学部卒業
昭和59年 名古屋掖済会病院(研修医)
昭和61年 名古屋大学大学院医学研究科
昭和62年 米国シカゴ大学マイケルリース病院内分泌内科
平成03年 名古屋大学大学院医学研究科卒業
平成07年 名古屋第二赤十字病院 内分泌内科 副部長
平成10年 名古屋大学 第一内科 助手
平成15年 名古屋大学 糖尿病・内分泌内科 助手
平成17年 名古屋大学 糖尿病・内分泌内科 講師


■所属・資格他

医学博士、日本内科学会 認定内科医、日本糖尿病学会 専門医/研修指導医、日本内分泌学会 専門医/指導医/代議員、日本甲状腺学会 専門医/代議員、日本東洋医学会 漢方専門医/指導医、日本医師会 認定産業医、日本禁煙学会 禁煙専門・認定指導者

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