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野崎ウイメンズクリニック 野崎雅裕院長

[外来訪問] 2016/06/22

~漢方薬の新時代診療風景~
 漢方薬は、一般に知られる処方薬(西洋医学)では対処が難しい症状や疾患に対して、西洋医学を補完する使われ方も多く、今後の医療でもますます重要な役割を果たすと考えられます。
 近年、漢方薬の特性については科学的な解明が進んだこともあって、エビデンス重視の治療方針を取る医師の間でも漢方薬が使用されることが増えています。
 漢方薬を正しく理解して正しく使うことで、治療に、患者さんに役立てたい。日々勉強を重ねる、身近な病院の身近なドクターに、漢方活用の様子を直接伺いました。ドクターの人となりも見えてきます。

漢方薬は有用な手段。自由に使いこなしたい

 医師になった当初から漢方に対する興味がありました。特に女性は、一般的な西洋医学の治療ではなく、漢方のほうが合う患者さんが少なくありません。私は産婦人科医ですが、「この患者さんは漢方薬の方が良いだろう」と思う症例によく遭遇していました。
 私が医学部を卒業した1979年頃は、漢方の医学教育がなく、勤務していた大学病院でも当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸など、数種類の漢方薬しか使えない状況でした。しかしその後、一般病院に移り、開院した今では、その人の証に合いそうな漢方薬を自由に使えるようになりました。特に、ここ十数年は積極的に使っています。漢方薬は非常に有力な手段としてとらえています。

良き相談相手となり、それぞれの患者さんに合った処方

 来院する患者さんは、月経に異常のある方、不妊症の方、更年期障害の方が主です。若い方は月経に関連する症状で来られることが多いです。初経は小学校高学年から中学校にかけて始まりますが、「痛くて、怖くて…」といったことで学業に支障をきたす方がいます。そうしたとき、鎮痛薬だけでなく、漢方薬で少し身体のバランスを整えつつ、ゆっくり説明してあげるとうまくいくことが多いです。
 また、月経前症候群で、むくみやイライラの症状が強い方には低用量ピルが効くのですが、ピルを使いたがらない方もいらっしゃいます。そういったケースでむくみの強い患者さんには五苓散。不安やイライラがある人には抑肝散や抑肝散加陳皮半夏など、その方に合った治療をしています。同じように、更年期障害の患者さんにもHRT(ホルモン補充療法)で取りきれなかった症状に対して漢方薬を処方するとうまくいく場合があります。
 また、過敏性腸炎の方には大建中湯がよく効きました。外科や耳鼻科、心療内科などで使われている漢方薬も産婦人科の患者さんにぴったり合うものがたくさんあるので、当院でも患者さんの証にあわせて使っています。
 私の診療方針は女性の良き相談相手になること。心と体の悩みを何でも聞いて相談できる医療を提供しています。その一環として、症状や対処法などを書いた文書を用意して渡すこともしています。患者さんのなかには診察中に緊張してしまい、よく説明を聞けない人もいますからね。

思い込みによる誤解を解くためにも、気軽に来院を

 患者さんが多いと、待ち時間が長く、診療時間は短いといったこともあります。そのため、今後は一人10~20分ゆっくり時間を取って話を聞くようなカウンセリングも行えればと考えています。患者さんのお話を聞いて治していけるような治療をメインにできること、それが理想ですね。
 昔から世間には、「走った後すぐは水を飲んだらいけない」、「運動のあとは座り込んではいけない」、「なるべく痛み止めは使うべきでない」などの誤解が根強く残っています。同様に、「月経痛は我慢するもの」、「更年期の辛い症状は我慢するもの」などと他人や親から言われて我慢している方もいると思います。しかし私から言わせると、そうした症状は決して我慢するべきものではありません。更年期には、更年期症状だけでなく、他にもいろいろな病気が起こります。産婦人科医はその時期の女性をたくさん診ていますから、それぞれの方に合った治療法を見極めるのによりよく貢献できると私は考えています。ですから、月経にまつわること、ピルにまつわること、子宮がんにまつわることなど、自分だけで思い悩まずに気軽に相談しに来ていただきたいですね。

野崎ウイメンズクリニック

医院ホームページ:http://www.nozakiwomens.com/pc/

アクロス福岡の隣、天神フコク生命ビル6F。地下鉄「天神駅」14番出口より徒歩1分。前任の院長から引き継いだ院内には、各所に絵画やプリザーブドフラワーが飾られ、癒しの空間を演出しています。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

産婦人科

野崎雅裕(のざき・まさひろ)院長略歴
1979年 九州大学医学部 卒業
1987年 米国シンシナティ大学 医学部生理学研究員
1988年 九州大学大学院 修了 医学博士
1989年 米国ノーフォーク・ジョーンズ研究所研究員
1999年 九州大学病院産婦人科准教授
2006年 九州中央病院副院長
2010年 野崎ウイメンズクリニック 開院


■所属・資格他

日本産科婦人科学会(専門医)、日本女性医学学会(認定医、代議員)、日本生殖医学会(専門医)、日本女性心身医学学会(認定医、評議員)、日本思春期学会、日本骨粗鬆症学会、北米閉経学会、NPO法人Healthy Aging Project for Women 理事、NPO法人更年期と加齢のヘルスケア学会(九州支部長、メノポーズカウンセラー)

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