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おくだクリニック 奥田隆司院長

[外来訪問] 2015/11/25

~漢方薬の新時代診療風景~
 漢方薬は、一般に知られる処方薬(西洋医学)では対処が難しい症状や疾患に対して、西洋医学を補完する使われ方も多く、今後の医療でもますます重要な役割を果たすと考えられます。
 近年、漢方薬の特性については科学的な解明が進んだこともあって、エビデンス重視の治療方針を取る医師の間でも漢方薬が使用されることが増えています。
 漢方薬を正しく理解して正しく使うことで、治療に、患者さんに役立てたい。日々勉強を重ねる、身近な病院の身近なドクターに、漢方活用の様子を直接伺いました。ドクターの人となりも見えてきます。

漢方だからできる多様なアプローチに魅せられて

 整形外科の外来診療を始めた当初から、型にはまった処方内容になりがちだと感じていました。痛み止めと胃薬、それから筋弛緩剤といった一連の処方です。それでもう少し、患者さんの容態にあわせたアプローチはないものかと思っていました。するとちょうどその頃、高麗人参が保険診療に収載されたのです。たまたま知り合いの先生に、高麗人参の研究をしている人がいらして、特に女性の肩こりにはよく効くと聞いていたので使ってみたところ、確かな効果を実感でき、漢方に興味を持ちました。それから漢方の勉強会にいくつも出席するようになり、少しずつ経験も積んでいきました。そして同じような病気でも、さまざまな薬を使って治す漢方にどんどん惹かれていったのです。

漢方をメインに総合的な診療を実践

 漢方内科を標榜しているのは、整形外科的な症状だけでなく、内科的な症状で来院する患者さんもいらっしゃるからです。東洋医学を知らないと痛みを訴える患者さんには、痛み止めを出すにとどまってしまいがちです。でも、漢方薬なら内科的な治療をしながらうまく痛みをとる方法を考えていけます。ですから、当院では整形外科的な訴えで来る人にもまず漢方的な治療をメインにして治療しています。
 また、患者さんには懇切丁寧な説明をする、それがモットーですね。何か尋ねられ、自分の専門分野以外でわからないときは「後でちょっと調べてからお話しますね」ときちんとお返事しています。
 漢方薬は現在50種以上使っています。煎じ薬も出しますし、たくさん作れるわけではないのですが製丸機で自家製の丸薬も作って出しています。ただなかには「漢方はいりません」という人もいますから、そういう人には西洋薬を出します。

驚きの結果から、さらなる東洋医学の面白さを実感

 患者さんではやはり肩こりや五十肩、腰痛、膝の痛みを訴える方が多いですね。比較的少ないのですが、花粉症や不妊症で来られる人もいます。これまでで特に印象に残っているのは、不妊症で人工授精も何度かされていた患者さんです。防己黄耆湯を処方したのですが、2か月しないうちに妊娠されました。
 また、当院では鍼灸師を雇っており、中医学の大家である故・温雪楓先生の治療法を実践しています。以前、患者さんのお孫さんで1歳過ぎくらいの子が風邪を引いた後に咳が止まらなくて来られました。小児科にかかったけれど、どうしても止まらないから何とかならないかという相談でした。漢方薬を使おうかとも思ったのですが、まず耳の平喘というツボに置鍼をしました。すると次の日には咳が完全に止まってしまい、本当に感謝されたことがありました。1歳くらいの子供に漢方薬を出してもきちんと飲めるかどうかわからないですし、できれば薬を使わない治療が一番いい。ですからまず鍼を試してみたのですが、こういった結果を見ると東洋医学は本当に興味深いなと思います。

保険診療による漢方治療の継続を

 今後は、このままずっと漢方薬の保険診療が継続してできることを願っています「腰が痛い」「背中が痛い」と訴える胃の調子が悪い人に、漢方薬なら一剤で幅広く対応できる可能性があるのに対し、西洋薬では、胃には胃薬、痛みには痛み止め、というようにどんどん増えていくわけです。また、西洋医学では病気や症状に応じて診療科が変わるため、複数のクリニックに通わなければならない場合もありますが、患者さんの身体全体を診て治療を進める漢方は、1つのクリニックで対応できることがあります。コストパフォーマンスから考えても、私は漢方のほうがいいと思っています。
 それから、私は近くに有料老人ホームを作っており、その入居者を診ているのですが、漢方薬を使うことで本当に助かっています。内科的な疾患やいろんな病気を持った人に対して、漢方ならほぼ全般的に初期対応ができる。それは本当にいいことです。

おくだクリニック

西鉄貝塚線「名島駅」から徒歩6分。国道3号線沿いにあり便利なロケーション。駐車場、エレベーター付きなので足腰の悪い人も通いやすいクリニックです。

診療科目

内科、整形外科、リウマチ科、リハビリテーション科

奥田隆司院長略歴
昭和50年3月 九州大学医学部卒 整形外科入局
昭和57年3月 九州大学医学部大学院修了
平成4年1月  開業(整形外科、リウマチ、漢方内科)


■所属・資格他

元福岡医師漢方研究会会長、元日本東洋医学会福岡県部会会長、元日本東洋医学会評議員、前福岡県東洋医会会長

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