成分(生薬)別の注意:大黄(だいおう)
公開日:2010.07.08
カテゴリー:主な副作用と注意の仕方を確認しましょう
監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)
タデ科(Polygonaceae)の
Rheum palmatum L.,
Rheum tanguticum Maximowicz,
Rheum officinale Baillon,
Rheum coreanum Nakai
又はそれらの種間雑種の通例、根茎
腹痛、下痢、食欲不振などの症状
大黄(だいおう)の副作用は、その主要成分「センノシド類、レインアンスロンなどのアントラキノン類」の作用によるものと考えられています。
センノシドAは大腸に到達した後、腸内細菌叢(ちょうないさいきんそう ※そう=「草むら」の意味。腸内細菌は草むらのようにまとまりを持って棲息しており、そのまとまりのこと)の働きでレインアンスロンに変換され、大腸を刺激してその蠕動(ぜんどう)運動を促進します。大黄の薬効は腸内細菌叢に大きく依存しているため、個人差が大きいという特長があります。大黄が効き過ぎると、腹痛、下痢、食欲不振などの症状が現れる場合があり、長期にわたって服用し続けると便秘が悪化することもあります。
体力が著しく衰えている、胃腸が著しく虚弱である、あるいは下痢、軟便症状を伴っている患者さんには副作用が出たり、症状が強くなったりすることがあります。また、妊婦さんや授乳中の方は、流早産や薬剤の母乳移行の危険性が高くなるため、服用は避けます。
なお、疑問があったら、必ず医師、薬剤師に相談しましょう。