主な副作用:間質性肺炎
公開日:2010.07.08
カテゴリー:主な副作用と注意の仕方を確認しましょう
監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)
もっとも重篤なものは、「間質性肺炎」
漢方薬の副作用としてもっとも重篤なものは、「間質性肺炎」でしょう。これは、肺胞(はいほう=肺の中にある小さな袋状の組織)と肺胞の間にある間質が炎症を起こすもので、早期に適切な処置を施さないと死に至る場合があります。
この病気の発症原因には、「薬剤」「感染症」「異物の吸入」「放射線」などが考えられていますが、実際には全症例の約半数について原因が解明されていません。
漢方処方の中で、間質性肺炎が起こりやすいと報告されているものには、小柴胡湯(しょうさいことう)、柴朴湯(さいぼくとう)、柴苓湯(さいれいとう)などがあります。これらを服用中に発熱、咳、呼吸困難になるなどの自覚症状があった時は、迷わず医師に相談してください。
中でも、小柴胡湯は慢性肝炎における肝機能障害の改善に効果がありますが、インターフェロン製剤投与中の患者さんや、肝硬変あるいは肝がんの患者さんが服用すると、間質性肺炎の発症率が高まるという報告もあります。このような疾病をお持ちの方は診察の際、必ず医師にお知らせください。漢方薬の服用に関して疑問があったら、必ず医師、薬剤師に相談しましょう。