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【加味逍遙散】HRT抵抗性で、精神症状を強く訴える更年期障害に対する改善効果/論文の概要

[日高隆雄先生]

論文の概要

<論文タイトル>
加味逍遙散は精神症状を強く訴えるホルモン補充療法抵抗性患者の更年期障害に有効である
Kami-shoyo-san, Kampo (Japanese traditional medicine), is effective for climacteric syndrome, especially in hormone-replacement-therapy-resistant patients who strongly complain of psychological symptoms(Journal of Obstetrics and Gynaecology Research.2013,39(1), p. 223-228.)
目的
ホルモン補充療法(HRT)に抵抗性があり、効果が不充分な更年期障害に対する加味逍遙散の有効性、安全性を評価、検証する
試験デザイン
前向き単群試験
セッティング
富山大学医学部産婦人科、黒部市民病院産婦人科
対象
ホルモン補充療法(HRT)に反応性がない、あるいは十分な改善が認められず漢方外来を受診した180例のうち、漢方的な診断により投与された45例。平均年齢50.6±5.3歳。平均身長156.7±5.2cm、平均体重55.7±8.9kg、平均BMI22.7±3.5kg/m2。うち33例は閉経例。HRT中止から加味逍遙散投与までの期間は平均2.4±0.9か月。
介入
対象者全員に加味逍遙散1回2.5gを1日3回、4週間投与した。
主な評価項目

加味逍遙散の投与前後で以下のことを比較した。

  • ほてり、発汗、寒気、動悸、不眠、興奮性、抑うつ、めまい、肩こりという9項目の更年期障害症状に関する総合ビジュアル・アナログ・スケール(VAS)スコアによる重症度の変化
  • 血管運動症状(ほてり、発汗、寒気)、精神症状(不眠、興奮性、抑うつ、めまい)の各総合VASスコアによる重症度の変化
  • レスポンダー(全症状の総合VASスコアが投与終了後30%以上減少)とノンレスポンダーでの加味逍遙散投与前のほてり、発汗、寒気、動悸、不眠、興奮性、抑うつ、めまい、肩こりの各症状VASスコアの比較
  • 血中エストラジオールと卵黄刺激ホルモン濃度の変化
結果
  1. 加味逍遙散は、全症例45例中、33例(77.3%)に有効であった。
  2. 全症状総合のVASスコアは加味逍遙散投与終了後に有意に低下した(p<0.0001)。また、血管運動症状、精神症状の各VASスコアも加味逍遙散投与後にそれぞれ有意に低下した(p<0.0001)。
  3. 加味逍遙散投与による有効例と無効例の比較において、有効例は投与前の不眠、抑うつ、めまいといった精神症状のVASスコアが有意に高かった(p<0.05)。
  4. 加味逍遙散投与前後での血中エストラジオール、卵胞刺激ホルモン濃度に有意な変化はなかった。
結論
加味逍遙散は更年期障害で生じる血管運動症状、精神症状のいずれをも軽減することが示唆され、とりわけ精神症状が強い症例での改善効果が高いことがわかった。

2013/11/27

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