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更年期障害

公開日:2010.06.01
カテゴリー:病気と漢方 監修:東京医科歯科大学大学院 名誉教授 麻生武志

本来の自分を取り戻して 豊かで楽しい毎日を!

更年期障害 更年期障害は、40歳過ぎごろから、50代半ばごろに見られる、閉経前後の女性ホルモン減少に伴う身体的、精神的な諸症状です。とくに、卵巣機能が衰えて、卵巣で作られるエストロゲンが消失することで、体と心にさまざまな影響を及ぼします。症状の出方には個人差がありますが、のぼせ、発汗、冷え、イライラ、憂鬱、不安感、不眠、めまい、動悸、頭痛などの「不定愁訴」が現れます。気力がなくなったり、物忘れがひどくなる人も。体の変調に加えて、家庭環境の変化(子供の巣立ち、親の介護など)や個人の性格といった背景も影響して、つらい症状を引き起こします。また、男性も50歳を過ぎた頃から女性と同じような症状が現れることがあります。女性に比べて緩やかですが、男性ホルモンの減少が影響しています。主にのぼせ、動悸、性欲の減退、腰痛、不眠、不安感、焦燥感といった症状が現れます。これからの生活をより豊かにするためには、自分に合った方法で前向きに過ごすことが大切です。

更年期障害(女性)の薬物療法例

漢方療法
さまざまな不定愁訴が現れる場合に有効です。個人の体質、症状にあった薬で崩れた心身のバランスを調えます。
ホルモン補充療法(HRT)
体内分泌が減少。消失した女性ホルモンを補い更年期症状を改善します。また、骨粗鬆症の予防にも有効です。
精神安定剤・抗うつ剤・心理療法
ホルモン補充療法、漢方療法だけでは回復せず、原因が自律神経性ではなく心因性の場合に有効です。

漢方薬にできることは

 更年期障害では、心身両面にわたるさまざまな症状が起こります。とくに、血管運動神経障害(ほてり、のぼせ、異常発汗、動悸、高血圧、低血圧、手足の冷えなど)や精神神経障害(頭痛、めまい、立ちくらみ、不眠、耳鳴り、不安感、イライラ、気力減退、抑うつ、記憶力低下など)が多く見られます。検査で異常が見つからないけれど多彩な自覚症状があらわれる「不定愁訴」は漢方薬の得意分野の一つ。イライラや、不安、不眠、気分がふさぐといった精神症状には加味逍遙散(かみしょうようさん) 、頭痛、めまい、肩こりがあり、のぼせやすく、ときに下腹部に痛みがある人には桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 、疲れやすく貧血気味で冷えもある場合は当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) などを、個人の体質、体力、症状などにより使い分けます。

くらしの中の予防法

  • 更年期はだれにでも訪れる生理的なものだと割り切って、物事をあまり思いつめないようにしましょう。
  • 栄養バランスのとれた食事をとりましょう。
  • 睡眠をたっぷりとりましょう。
  • 適度な運動を心がけ、体力をつけておきましょう。

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