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宮村内科クリニック 宮村正廣院長

[外来訪問] 2015/09/09

~漢方薬の新時代診療風景~
 漢方薬は、一般に知られる処方薬(西洋医学)では対処が難しい症状や疾患に対して、西洋医学を補完する使われ方も多く、今後の医療でもますます重要な役割を果たすと考えられます。
 近年、漢方薬の特性については科学的な解明が進んだこともあって、エビデンス重視の治療方針を取る医師の間でも漢方薬が使用されることが増えています。
 漢方薬を正しく理解して正しく使うことで、治療に、患者さんに役立てたい。日々勉強を重ねる、身近な病院の身近なドクターに、漢方活用の様子を直接伺いました。ドクターの人となりも見えてきます。

ひとりの人間を、心も体もまるごと診たい

 私の出身の富山医科薬科大学には漢方の教室があり、授業で漢方や鍼灸を学ぶうちに、その魅力に夢中になりました。少し語弊があるかもしれませんが、もともとスピリチュアル系とか、アバウトなもの、ファジーなものが好きだったので、ガイドラインなど型どおりにきっちり決められた医療ではなく、「自分の目でみて患者さんにふれて、考え、診断する」漢方に魅かれたのだと思います。
 それと、私はメンタルならメンタルだけ、呼吸器なら呼吸器だけ、足なら足だけなど、どこか一部分だけを診るという考えは好きではありませんでした。ひとりの人間まるごとすべて、どんな病気でも診たい。そんな自分の思いと漢方の考え方に共通するものを感じたのです。
 ただ、大学時代に学んだのは、いわゆる「日本漢方(和漢)」だったのですが、実際に患者さんの診療に漢方や鍼灸を取りいれるようになると、それだけでは足りないと感じ、「中医学(中国伝統医学)」も学ぶようになりました。中医学の師匠と呼べる先生が日本には少なく、月に1回、大阪の日本中医学研究会の勉強会に参加したり、年に2回の学会に出席しながら、現在も勉強を続けています。

日本漢方(和漢)と中医学のどちらも大切

 日本の医療に取り入れられている東洋医学には、「日本漢方」と「中医学」があります。日本漢方は、中医学をルーツとしつつも日本に伝来した後、独自に発展した日本ならではの漢方です。経験を重視し、体質や症状を診て、それに合う漢方を使います。一方、中医学は理論的に患者さんの「証(体質など)」を見極めて判断し(弁証)、症状と証に合う治療法を考えます。
 それほど複雑ではない軽い症状に対し、パッと診断して処方する際には日本漢方が便利ですが、症状がいくつも重なっている場合や、診断が複雑で難しい場合などは、弁証してより詳しく診ていくことが必要です。中医学の診断には、舌診や脈診など、西洋医学の一般的な診察法とは異なる独特の診察が必要で、時間もかかります。でも、患者さんを治すためには必要なことなので、クリニックでは日本漢方と中医学をどちらも取り入れ応対しています。

西洋医学と東洋医学の併用で治療効果を高める

 クリニックには、風邪や神経痛、関節痛、便秘から、高血圧や糖尿病などの生活習慣病、頭痛、皮膚炎、虫刺され、喘息、うつ症状など、さまざまな症状を訴える患者さんが、1日平均80~90人いらっしゃいます。
 診療では、一般的な西洋医学に、漢方や鍼灸などの東洋医学を併用しています。例えば、風邪の場合は抗生物質と漢方を併用します。併用することで、より治療効果を高めることができると考えています。咳止めや便秘に使うこともありますし、ハチなどの虫さされに使うこともあります。
 漢方も有効ですが、腰痛やひざ痛、頭痛などの「痛み」には、鍼も即効性があり有効と考えています。また、例えば「咳がなかなか止まらない」という場合、もちろん百日咳や慢性呼吸器疾患などと区別するために検査はおこないますが、漢方薬を使っても治りが悪い場合に、鍼を使うことで治ることもあります。鍼は「気血を巡らす」ことでつらい症状を取り除くので、腰痛やひざ痛などと同様に、肺の気を巡らせることで症状が改善されるのだと考えられます。
 一方で、メタボリックシンドロームで合併する高血圧や高脂血症、糖尿病やその他生活習慣病については、西洋医学の薬のほうがより効果的に治療ができるので、主にそちらを使っています。ただし、できれば体に入れる物はなるべく自然のものがいいという考えがあり、「和食中心」「玄米食」「動物性たんぱく質は控えめに」「無農薬のものを」など、食養生も勧めています。
 開業し、漢方治療を始めて27年目になりますが、「この方法で治るのか」と驚いたり、新たな発見をしたりすることがいまだにあります。それがこの仕事の醍醐味だと思いますし、漢方も鍼灸も、少しずつでもレベルアップしていけるように、これからも勉強を続けていくつもりです。

宮村内科クリニック

医院ホームページ:http://miyamuranaika.com/

西武多摩湖線「一橋学園」駅北口から徒歩30秒。広々した待合室には大きな画面のテレビが設置されており、待ち時間もゆったり過ごせます。
詳しい道案内は医院ホームページから。

診療科目

内科、循環器科、消化器科、呼吸器科、心療内科、神経内科、皮膚科、漢方内科

宮村正廣(みやむら・まさひろ)院長略歴
1982年 富山医科薬科大学医学部卒業
     上尾中央総合病院等を経て、
1989年 宮村内科クリニック開設


■所属・資格他

日本内科学会、日本消化器内視鏡学会、日本循環器学会、日本臨床内科医会、日本統合医療学会、日本ホリスティック医学協会、日本中医学研究会、小平南高校校医、生命保険各社診査医

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