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【婦人科専門医が解説】月経時に強い腹痛・骨盤痛…月経困難症に得意な漢方は?

[症状別得意分野] 2017/12/22

子宮内膜症や子宮筋腫などの病気が潜んでいる可能性も

 月経時に強い腹痛・骨盤痛などのために仕事がまったく手につかない、毎回寝込んでしまうなど、生活に支障が出てしまう状態を月経困難症と呼びます。月経困難症に悩む女性は800~1000万人と言われており、子宮内膜症や子宮筋腫など治療を必要とする病気が潜んでいる可能性もあるので注意が必要です。月経困難症は原因によって大きく2つに分けることができます。一つは、器質的な異常がないのに起こる「機能性月経困難症」(原発性月経困難症)、もう一つは子宮やその周囲・卵巣などに器質性の異常があることから起こる「器質性月経困難症」(続発性月経困難症)です。

 機能性月経困難症は下腹部痛のほかに腰痛、胃痛、嘔吐、下痢、発熱などの症状を併発することもあります。また、月経時の体調不良(風邪をひいている場合など)や精神的な要因なども考えられます。患者さんの年齢層は10代の方から20歳~25歳くらいが中心で、30歳以降は少なくなります。結婚して出産をしてから月経痛が軽くなったという人も少なくありません。25歳以降の患者さんや分娩を経験したことのある患者さんが月経困難症を訴えている場合は、なんらかの器質的疾患があることを疑ったほうがいいかと思います。

 器質性月経困難症は、子宮内膜症、子宮筋腫、子宮腺筋症、(特に粘膜下筋腫)、子宮内膜ポリープ、子宮奇形など子宮や卵巣などが原因で起こる月経困難症です。特に、子宮内膜症による月経困難症の症状は強く、起きていられないほどの痛みを伴うこともあります。

月経困難症にこの漢方

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 体力が中等度の人。症状としては「頭痛」「肩こり」「便秘」「ほてり」のある人に。
加味逍遙散(かみしょうようさん) 体力が中等度・虚弱の人。症状としては「イライラする」「気分の変動が激しい」「気分の落ち込み」のある人に。
当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 体力が虚弱の人。症状としては「貧血」「冷え性」「むくみ」「疲れやすい」「月経が遅れがち」「トイレが近い」症状がある人に。
中島由美子先生
中島由美子先生
下平レディースクリニック 院長
(社)日本産科婦人科学会 産婦人科専門医
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