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【更年期と漢方養生 編集後記】どう「自分の身体と向き合う」? 養生を1か月実践して体感したこと

公開日:2022.12.23
カテゴリー:病気と漢方

日本人女性が閉経を迎える年齢の平均は50歳といわれています。ただ、個人差が大きく、早い人では40代、遅い人では50代後半に閉経を迎えます1)。その閉経の前後10年間が更年期と呼ばれ、この時期に起こるさまざまな不調を更年期症状、更年期障害と呼んでいます。
更年期と漢方養生vol.1 vol.2」では、漢方内科・婦人科・心療内科の診療を行う泉州統合クリニック院長の中田英之先生にお話を伺いました。
中田先生は、吉野・熊野の大峯奥駈道で修行する山伏でもあります。

先生は山伏としての経験を積む中で「自分の身体と向き合い、観察すること」の大切さを実感したといいます。
更年期にさしかかる女性は、仕事に子育てにと、慌ただしい毎日を過ごしている方も多く、ついつい自分のことにかける時間が少なくなりがちです。自分のことを後回しにしてしまい、不調のサインをやり過ごしてしまうことが、のちのちの更年期症状、ひいては更年期障害につながる可能性を、中田先生は指摘しています。

「養生のキホン」を実践して変わったこと

記事中でも触れましたが、中田先生のクリニックでは、まず、先生がまとめられた指導箋である「養生のキホン」を実践し自分の身体に意識を向けることから始めるとのことで、初診では薬の処方をしないこともあるそうです。「養生のキホン」を、1か月ほど実践することで、自分への身体の意識が変わり、不調が改善する人もいるのだとか。
「養生のキホン」は、小麦粉を避けて和食中心、冷たい飲み物を避けて温かい飲み物を飲むなどの食事の方法や、腰を温める、入浴の方法など、「がんばればできるかも」というくらいの、実践しやすい項目が並んでいます。
私自身、40歳を過ぎて胃腸の不調や肌荒れ、だるさなど30代では見られなかった不調が相次いで出てくるようになりました。漢方薬や西洋薬も服用していますが、中田先生から取材時に「その不調は、今までの生活の結果が花開いたもの」と言われたことが心に残っていました。たしかに、これまでは徹夜も多く不規則な生活をし、暴飲暴食も続いていました。ここ数年「身体にいい暮らし」風なことをしたからといって、そう簡単に身体が変わるわけでもないのだと実感していたのです。

そこで「養生のキホン」に倣って、自分なりの養生を行ってみました。
朝昼晩に深呼吸と、雑巾がけは家の構造上できないため、ストレッチやヨガで代替、食事はこれまで大好きでよく食べていたパンやパスタなどの小麦を極力減らし、コーヒーも1日1杯に減らしました。
朝起きたらまず白湯を飲み、ストレッチをしてから仕事をするようにし、仕事中もお腹周りや足を温めるようにしました。
「養生のキホン」でできなかったのは、就寝時間。22時に寝るのはなかなか難しかったのですが、なるべく早めに就寝するよう心がけました。
入浴も足湯をしてから行い、お風呂から出る前に水をサッとかけるようにしました。

何かを「足す」ことよりも「減らす」ことを意識

これらの養生を始めて1か月ほど経ちましたが、すぐに実感できたのがお腹の調子。これまではすぐに胃が痛くなったり、お腹を壊したりしていたのですが、小麦を減らしたことや冷たいものを飲まなくなったことで、症状も落ち着いています。また、たまに襲ってくる「甘いものを食べたい欲」がなくなったのもうれしいことでした。
さらに、なんとなく自分の体質だとあきらめていた「のぼせ」や「ほてり」がいつの間にか解消していました。中田先生のご著書によれば「のぼせ」になりやすい人の特徴として、「身体が冷えて胃腸機能が低下していること」とありました。「冷え」を減らすことで、のぼせが鎮まると書かれており、養生を実践することで、冷えが解消され、のぼせも落ち着いたのではと推測しています。
「自分の身体と向き合う」。よく使われる言葉ではありますが、長く自分自身と付き合っていると、若かりし頃の自分のイメージのまま「私はこういう人間だから」と頭が凝り固まっていたような気がします。養生を続けて、自分を観察していくうちに、不調の原因にも「それは当然だな」と納得がいくようになりました。

今回、養生を実践して最も大きな収穫だったのは、これまで好きで食べたり飲んだりしていたものや、特に意識もせず習慣としてやってきたことが、実は不調を作る原因だったということに気づけたことです。「好きだから」「楽だから」ではなく、自分自身の身体に合っているのか、自分の身体に無理がないのか、そうした視点で考えていくことは目からうろこでしたが、体調が整うことの気持ちよさを実感できました。
痛みが出れば痛み止め、下痢をすれば整腸薬…と不調が出れば、とにかく薬を飲んで、健康のためにサプリメントを、と何でも足すことばかりを考えていましたが、毎日飲んでいたサプリメントのひとつが胃の不調の原因になっていたことも今回の発見のひとつでした。更年期以降の人生では案外、足すことよりも、減らすことのほうが大切なのかもしれません。(大場真代)

参考
  1. 更年期障害│日本産科婦人科学会<2022年12月13日閲覧>

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