医療用漢方製剤の品質管理拠点「ツムラ石岡センター第2生薬QC棟」竣工

[漢方ニュース] 2022/05/12

株式会社ツムラは2022年2月、茨城県石岡市に「石岡センター第2生薬QC(クオリティコントロール)棟を1月に竣工したことを発表しました。それに伴い、2月18日に当施設のオンライン説明会が行われました。

生薬を受け入れ、品質試験から選別加工・保管までを行う

石岡センターは、深セン津村や盛実百草、ラオツムラなどの生薬製造所や国内の各産地から運ばれた生薬を受け入れ、品質試験、選別加工、保管・管理を行い、茨城や静岡の工場へ出荷する役割を担っています。

各生薬製造所から生薬は、横浜港を経由し石岡センターに到着する

新設された第2生薬QC棟は5階建ての建物で、1~4階が生薬の保管エリア、5階が品質試験エリアとなっており、標本室や見学者のためのスペースなどが併設されています。


産地から受け入れた生薬はいったんここに受け入れられ、
当センターで順に選別される
選別済みの生薬は別のエリアで保管される

私たちが普段、医療機関から処方される漢方薬はエキス剤と呼ばれています。漢方薬には煎じ薬とエキス剤があります。煎じ薬は細かく刻んだ生薬を処方ごとに調合して、それを水で煮出し、成分を抽出させたものを飲むものでいわゆる昔ながらの服用方法です。一方、エキス剤は、この煎じ薬を濃縮し、乾燥させて粉末化させたもので、西洋薬と同様に扱えるメリットがあります。また、生薬は植物など天然由来のものであるため、天候や産地や収穫時期によって品質などにバラつきが出てしまいますが、エキス剤にすることによって品質が均一化されやすくなります。

品質を担保しながら漢方薬のニーズへの期待に応える


到着した生薬はサンプリングされ、
品質試験ののち参考品として保管される

こうした品質の管理や均一化に大きな役割を担っているのが、この石岡センターです。
ここでは各地から生薬を受け入れると、公定書である日本薬局方や日本薬局方外生薬規格に基づく品質試験が行われます。それ以外にも、残留農薬などツムラ独自の規格試験を実施します。
その後、風力選別機や金属検出器などの機械、人による目視によって、土砂や石、金属などの異物や不純物を除去、長さや大きさのある生薬を切裁し、刻み生薬へと加工します。
また、大きな特徴として、多数の生薬在庫の成分含量を把握するとともにエキス剤になった際の成分含量を予測し、漢方薬の製造時に処方ごとに使用する生薬をロット単位で指定するロット指示も行っている点があげられます。そのため、エキス剤になったときに、成分のばらつきは極めて小さいものになっています。

ここ数年、多くの医師が漢方薬を処方するようになり、私たちが漢方薬に触れる機会も増えてきています。こうした市場の高まりを受け、自然由来の原料でも、高い品質を安定的に維持するための技術が採用されています。

さらに、石岡センターでは、カビや虫の害、成分の変化や品質劣化を防ぐために生薬は室温15度以下、湿度60%以下の条件下で徹底的に保管管理され、エキス剤加工の工場へと出荷されます。

一般の見学者向けに生薬標本なども


見学者通路からは工場内が見えやすい位置に
窓が配置されている


QRコードを利用して生薬の詳しい説明を読むことができる

現在、第2生薬QC棟は物流機能のみが稼働していますが、本格的な稼働は2022年6月を予定しています。
施設には一般の見学者を想定した工夫が随所に施されているほか、生薬標本も用意されています。

青木隆人センター長は「地域に溶け込み、漢方の啓発を担っていく役割が同センターにはあります。地域貢献の一貫として石岡市民などを対象に積極的に施設見学を受け入れたい」と話しています。

漢方薬のニーズが高まる中、石岡センター第2生薬QC棟には漢方薬の品質と供給の担保、また地域経済への貢献などの期待が寄せられます。

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