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基本的な使い方

公開日:2010.06.10 更新日:2020.12.21
カテゴリー:漢方薬の使い方 監修:秋葉哲生先生(あきば伝統医学クリニック院長)

漢方薬は温めて飲むのが原則です。

 漢方薬は、サプリメントではなく医薬品のひとつです。
いわゆる一般的な西洋薬と同じように、適正に使用する必要があります。
 「天然の生薬から作られているので副作用はないのでは」と思っている方も多いかもしれませんが、漢方薬も適正に使用しなければ副作用が出る可能性があります。

 漢方薬の形状は、いくつかの種類に分けられます。
一般的に病院やクリニックで処方されるのはエキス剤と呼ばれるものです。エキス剤は現在、148種類の漢方薬が保険適用になっています。他にも煎じて飲む煎じ薬や、生薬をはちみつなどで球状に固めた丸薬、生薬を細かく粉末状にした散薬などがあります。
 エキス剤は、煎じ薬の成分を凝縮したもので、携帯性にも優れています。一方、煎じ薬は、患者さんの体質や状態により、生薬の種類や量を加減できるというメリットがありますが、煮出すのに時間や手間がかかるなどの理由から、現在は多くの方がエキス剤を利用しています。

 医薬品は一般的に、空腹時に服用するほうが体内に素早く吸収されます。ほとんどの漢方薬は形状にかかわらず胃腸への負担が比較的少ないために、成分吸収の早い食前、または食間など空腹時の服用がすすめられています。だいたい食前であれば食事の30分前、食間に服用する場合は食後2〜3時間後を目安にするとよいでしょう(同一の漢方薬でも、患者さんや症状などによる例外があります)。
 また、漢方薬の服用量は、年齢や体重、症状などに応じて変わりますが、標準的な体格の成人の場合、通常1日に2〜3回に分けて服用します。

 服用方法としては、漢方薬は温めて飲むのが原則です。一般的な医療現場で使われるエキス剤は、白湯(さゆ、一旦沸騰させてから飲める温度にさましたお湯)に溶かし、湯液状にしてから服用するのが効果的といわれています。溶かしにくい場合は、一度少量の熱湯で溶かした後、ぬるま湯を入れてかき混ぜるという方法がおすすめです。吐き気がある時や冷やしたほうがいい場合には水での服用をすすめられることもあります。
 お茶やジュース、牛乳、アルカリイオン水などに混ぜると、漢方薬の成分が化学反応を起こして、効果が低下することもありますので注意しましょう。

 治療においては、医師は患者さんが正しく薬を飲んでいることを前提に経過観察をし、判断をしていくので、指示されたとおりに飲み続けることが大切です。漢方薬の効果を感じるまでには、おおよそ飲み始めてから2週間くらいかかることが多いようです。漢方薬を服用し続けていて、気になる症状、好ましくない作用などが出てきた場合は、遠慮なく速やかに、必ず医師や薬剤師に相談しましょう。

参考

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