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肥満症や糖尿病の合併症で使われる漢方薬

[漢方ニュース] 2017/09/28

 肥満症やメタボリックシンドローム、糖尿病の合併症などにも漢方が使われます。糖尿病の治療は、食事療法と運動療法による血糖コントロールが基本です。これらで改善が認められない時は、経口血糖降下薬あるいはインスリン製剤の注射など西洋医学的治療薬により血糖値の改善を目指します。糖尿病性末梢神経障害に有用な漢方として、牛車腎気丸(ごしゃじんきがん) が広く知られています。

 肥満症やメタボリックシンドロームの治療も、糖尿病の治療同様に食事療法、運動療法が基本です。肥満症は、肥満に該当する状態(BMIが25以上)で、かつ、肥満による健康への悪影響が既に現れている場合、もしくは「内臓脂肪型肥満」の場合を指します。メタボリックシンドロームは命に直結しかねない動脈硬化に焦点を当て、その予防と早期治療のために診断するものです。具体的には、前記の内臓脂肪型肥満に該当し、かつ、血圧や血糖値、血清脂質に軽度の異常が重なっている状態を指します。東洋医学的には、運動だけでなく、生活リズムを整え、未然に病気を予防する考え方があり、肥満症やメタボリックシンドロームといった生活習慣病では極めて有用な手法です。まずこれらを実行したうえで漢方薬の処方を検討します。

 肥満症でも「虚・実」や「気・血・水」の考え方により証を決め、漢方薬を選択するのが基本です。

 食事摂取過多に起因する小太りタイプの肥満症では、防風通聖散(ぼうふうつうしょうさん) を用います。防風通聖散は脂肪組織を減少させることが研究で明らかになっており、肥満症に対して最も用いられている漢方薬です。この他には大柴胡湯(だいさいことう) を使うこともあります。

 水太りタイプの肥満症は、主に消化吸収された栄養素や体に蓄積した水分がうまく排出されないと考え、利水剤の防己黄耆湯(ぼういおうぎとう) が第一選択となります。他の選択肢としては五苓散(ごれいさん) があります。

 ストレスによる過食が原因と考えられる肥満症は、気の異常があると捉え、気を整える漢方薬が用います。こうした漢方薬として代表的なものは、大柴胡湯や柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう) 大承気湯(だいじょうきとう) 桃核承気湯(とうかくじょうきとう) などが使われます。

(2017年6月開催 第68回日本東洋医学会学術総会「漢方入門講座 糖尿病・肥満領域の漢方治療(愛知学院大学心身科学部健康栄養学科 宇野智子先生)」をもとにQLife漢方編集部が執筆)

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