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「漢方の得意な病気」って?専門医がズバリ解説!

[漢方ニュース] 2015/11/11

日本漢方生薬製剤協会「第18回市民公開漢方セミナー」より


東京女子医科大学・東洋医学研究所の伊藤隆先生

 10月26日に開催された、日本漢方生薬製剤協会主催の第18回市民公開漢方セミナー「漢方の得意な病気」では、東京女子医科大学・東洋医学研究所の伊藤隆先生が講演後、事前に寄せられた参加者からの質問に答えてくださいました。漢方薬への関心が日に日々高まっているのを体現したその内容を、伊藤先生の回答とともにご紹介します。(※講演の内容はこちらから

Q. 漢方薬は市販もされていますが、病院でもらう処方薬との違いは何でしょうか?

A. 一般用として市販されている漢方薬の多くは、安全性を考え病院で処方されるものに比べて効果が3〜4割ほど薄くなっています。しかし、最近では満量処方といって、病院で処方されるものと同等の効果のあるものも増えてきています。

 漢方薬は、西洋薬と違ってひとつの症状だけで判断するのではなく、身体全体を診て処方されますから、病院で専門医の診断を受けてからのほうが、より患者さんご自身に合った漢方薬を見つけることができるでしょう。

Q. 漢方薬は苦いので食欲が落ちてしまうのですが、いい飲み方はありますか?

A. 「良薬口に苦し」というように「漢方薬は苦いもの」というイメージがありますが、身体に合ったものだと甘く感じたり、美味しいと思う方も少なくありません。苦いのが苦痛だという場合は、もしかするとご自身の体質に合っていない漢方薬を飲んでいるのかもしれません。

 ご自身に合ったものでも慣れるまで飲みにくかったりする場合がありますが、その場合はオブラートに包んだりして飲んでもよいでしょう。また、揮発性の成分もあるので、お湯に溶かして飲むと漢方薬の効果をさらに感じることができますよ。

Q. 漢方薬を数種類服用する場合に気をつけたほうがいいことはありますか?

A. 漢方には、痩せた人、体力のない人に対する「虚」の処方と、体力のある「実」の人に使う漢方薬があります。これを同時に飲むと効かなくなってしまうので注意が必要です。

 また、漢方薬は生薬がいくつか組み合わせて出来上がっているのですが、数種類服用すると、それぞれに同じ生薬が含まれていることがあります。特に鎮痛、抗炎症作用などのある「甘草」は漢方薬全体の7割に含まれています。甘草の含まれた漢方薬を複数飲むと、副作用が出やすいということもわかっていますので注意が必要です。

Q. 漢方薬は長期間にわたって服用しても大丈夫ですか?

A. 薬はその文字通り「楽になる草」です。つまり、症状がなくなったら止めても大丈夫ということです。自己判断せず、医師と相談しながら止めどきを見つけてください。また漢方薬も、長期間飲むと副作用が出るものもありますので、長期間服用する場合は、専門医と相談してください。

Q. 漢方との上手な付き合い方を教えてください

A. 漢方薬に含まれる生薬は、身近にある食材が元になっているものも多くあります。例えばショウガやしその葉、山芋、みかんの皮、シナモンなどです。身体を温める、冷やすというのは漢方薬の考え方の根幹になっています。身体を冷やすものには、果物や乳製品、砂糖、生野菜などがありますから、身体を温めたい場合にはこうした食材は避けるなど、普段の食事から気をつけることで健康を維持できます。

 人間は体調が悪いときは「栄養をつけるために」とさまざまな食材を取り入れようとしがちですが、犬や猫などの動物は、病気になったときは何も食べません。病気を治すときには、何かをプラスするよりも、余分なものを取り入れないほうがいい場合もあります。あえて引いて考えるということも健康のためには大事な考え方なのです。

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