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漢方のウワサ!リサーチ隊 Vol.3「漢方薬は副作用が少ない?」を徹底調査

[漢方ニュース] 2012/10/19
漢方のウワサ!リサーチ隊

Vol.3「漢方薬は副作用が少ない?」を徹底調査

“成分が自然のものだから副作用がなく安心”は本当?
 自然の生薬を原料にしているので、副作用が少ないというイメージが強い漢方薬。QLife会員の方々にアンケートを取ったところ、全体の7割以上もの人が「副作用の少ない安全な薬」という認識を持っていました。
 しかし一方で「漢方薬を飲むと一時的に具合が悪くなると聞いたことがある」という声も少数派ではありますが聞こえてきました。
 漢方薬は実際のところ副作用があるの? ないの?

エキスパートに聞く

場合によっては重篤な副作用も

日本大学医学部内科学系統合和漢医薬学 矢久保修嗣先生

 漢方薬は「天然由来のものから作られているから副作用が少ない」というイメージを持っている方も多くいると思いますが、それは間違いで、漢方薬にも副作用はあります。漢方薬の副作用の中でも特に重篤なのは間質性肺炎です。肺胞(はいほう=肺の中にある小さな袋状の組織)と肺胞の間にある間質が炎症を起こすもので、早期に適切な処置を施さないと死に至る場合があります。間質性肺炎がおこりやすいと報告されている漢方薬には小柴胡湯(しょうさいことう) 柴朴湯(さいぼくとう) などがあります。小柴胡湯は肝機能障害の改善に効果のある漢方薬ですが、肝硬変や肝がんの患者さんが服用すると間質性肺炎の発症率が高まるという報告もあります。
 このほかにも、低カリウム血症(血液中のカリウム濃度が低下)や血圧の上昇、全身の倦怠感、筋力低下、むくみなどの副作用が出る場合もあり、これらの症状は「甘草(かんぞう)の過剰服用」「甘草含有処方の長期服用」「高齢者や女性の長期服用」によって発症しやすいといわれています。甘草が比較的多く含まれている漢方薬は芍薬甘草湯(しゃくやくかんぞうとう) 小青竜湯(しょうせいりゅうとう) などがあります。
 また、漢方医学の考え方で「誤治(ごち)」と呼ぶケースも考えられます。これは、間違った使われ方をしたり、治療の方向性を誤ったときに起こります。お薬自体が悪いのではなく、自分の体質にあわなかったために起こります。そのため薬局やドラッグストアで販売されている漢方薬を専門医への相談なしに服用した場合などにも起こる可能性があるので、注意が必要です。
 さらにもうひとつ「瞑眩(めんげん)」といって、薬が効いてよくなる段階で、一時的に症状が悪化するという現象もあります。漢方薬の場合、治すということは「悪いものを全部出す」という考え方なので、たとえば、アトピー性皮膚炎の場合は一時的に皮膚症状が悪化したり、風邪で熱のある場合に一時的に高熱が出る場合もあります。瞑眩の場合、予後がよいのが特徴ではありますが、この症状に耐えられるかどうか体力的な問題なども考慮しながら使用していく必要があります。
 西洋薬と同じように、頻度は低くとも漢方薬にも副作用はあります。自己判断で服用せず、まずは専門医に相談し、自分自身の体質や症状にあった漢方薬を適切に処方してもらうことが大切です。

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