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“青春のシンボル”であるにきびを漢方で改善

[症状別得意分野] 2014/11/27

日本人の約9割もの人が経験するにきび

 尋常性ざ瘡とは、いわゆるにきびのことです。思春期に発症し、12~18歳に悪化しやすいことから“青春のシンボル”などとも言われています。日本人の約9割もの人が一度は経験するもので、疾患というよりは生理的変化として捉えられる傾向にあります。そのため医療機関を受診する割合も10%と低く、積極的な治療を施す対象ではありませんでしたが、痛みや精神的苦痛を伴うことが問題となっています。
 尋常性ざ瘡は、ホルモンの影響を受けて、毛のうや皮脂腺に炎症が起きる疾患です。思春期の性ホルモンの変動、特に男性ホルモンであるアンドロゲンの作用によって皮脂腺の分泌が多くなることで毛穴に皮脂が溜まり、アクネ菌などの影響によって炎症が起こります。初めて出る場所は額が最も多く、年齢と共にほほや下あごなどに多くなってきます。
 にきびを悪化させる原因として、女性は月経前やファンデーションなどの毛穴を詰める化粧品、また男女ともに睡眠不足や精神的なストレス、間食、毛髪が皮膚に当たることなども影響しています。

赤く腫れ上がったにきびを漢方の力で改善

 毛穴に皮脂が詰まっている状態は白にきび、あるいは黒にきびと言われる面皰(めんぽう)であり、毛穴が詰まって皮脂が溜まりその中でアクネ菌が増殖して炎症を起こすと赤にきびと言われる丘疹(きゅうしん)、膿をもった膿疱、さらに悪化すると嚢腫(のうしゅ)や、硬く盛り上がった硬結ができます。強い炎症が起きて毛穴が破壊されると赤くへこんだにきび痕が残ることもあります。
 にきびの治療には、まず第一に皮脂を洗い流して毛穴が詰まるのを防ぐために十分な洗顔が重要となります。また抗菌薬などの内服薬や外用薬などが用いられますが、皮膚の炎症を抑える効果のある漢方薬での治療も行われており、赤くなったにきびなどの改善が期待できます。

プロフェッショナルの【眼】

にきび治療の第一選択肢として漢方薬は有用
兵庫医科大学
皮膚科学准教授 夏秋優先生

 にきびや毛包炎など化膿性の皮膚疾患に用いられる漢方薬に十味敗毒湯があります。十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう) は、桔梗(ききょう)、柴胡(さいこ)、川芎(せんきゅう)、茯苓(ぶくりょう)、独活(どっかつ)、防風(ぼうふう)、甘草(かんぞう)、荊芥(けいがい)、生姜(しょうきょう)と樸樕(ぼくそく)または桜皮(おうひ)の10種の生薬から構成されています。この漢方薬を考案した華岡青洲は桜皮を用いましたが、江戸時代末期の著名な漢方医である浅田宗伯は樸樕を使用しました。尋常性ざ瘡を初めとして、アトピー性皮膚炎や蕁麻疹、膿皮症、掌蹠膿疱症などに使用されています。にきびにおいては、炎症が比較的弱く、赤くなったり膿を持ったにきびで、硬いしこりを伴わないものに対して効果を発揮します。女性の場合は、体質に応じて当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん) 加味逍遙散(かみしょうようさん) などを併用することでさらに治療効果を高めることができます。
 にきびに用いられる抗菌剤は、長期投与や反復投与を避ける必要もあるため、漢方薬の使用が推奨されています。漢方薬には化膿した皮膚症状を1~4週間と比較的短期間で改善させる効果が期待できますが、炎症反応が強い場合は必要に応じて抗菌薬の内服を併用します。体質改善のために漢方薬を長期にわたって服用する場合もあります。
 にきびは病院へ行かずに治すもの、または自然に治るのを待つものではありません。顔ににきびがあることで精神的なストレスにもなりますし、早めの受診で症状は大きく改善します。膿を自分で出したり自己判断での治療は痕を残してしまう可能性も高くなります。困った時はまず医療機関を受診し、適切な診察を受けましょう。

参考サイト

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