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日常生活にも影響するほどのひどい夏バテになった40代女性

[外科医が使って知った漢方薬の魅力「意外と効くもんだ」] 2014/02/05

日常生活にも影響するほどのひどい夏バテになった40代女性

 真夏の暑さのためにやる気が出ないという人は沢山いる。しかしほとんどの人はやる気が出なくても、それなりに日常生活をおくり、家事や仕事に影響が出るほどのことはない。しかしなかにはひどい夏バテ(暑気あたり)のために、十分家事が出来ないという方もいらっしゃる。
 40代の女性が夏バテのために来院した。朝から夕方まで会社で仕事をし、家に帰ってからは主婦業をしている。しかし最近体がだるく、家に帰ってから何もしたくないと言う。家事をしようとは思うのだが、家に帰って少し座ると、もう動けないほど疲れてしまい、結局ご飯も作れないことがあるらしい。夏の暑さは誰でも辛いものだが、家事や仕事ができないほどとなると治療が必要だと思う。暑いのを我慢しすぎて脱水や熱中症になっており、それが原因で動けないのであれば、点滴などの治療をするが、この患者さんは脱水や熱中症ではないため漢方薬を処方することにした。
 何かをしようとしても体が疲れていて出来ないという人には、通常は元気を出すための薬を処方する。漢方薬の中で体に元気をつける薬はいくつか存在するが、夏バテには清暑益気湯(せいしょえっきとう) を用いることが多い。そこでエキス剤の清暑益気湯を1回2.5グラム1日3回毎食前に処方した。1週間後再診してもらうと「これを飲むようにしてから無理が利くようになってきた」とのことであった。夏バテが完全になくなったわけではなく、“無理が利くようになった”という表現が非常に当たっていると思う。首の痛みで通院していた別の患者さんも「今年の夏は暑くてもう何もやる気が起きない」と言っていたので、同じように清暑益気湯を処方したところ「少し頑張れる」と喜ばれた。
 実際、自分でもとても疲れて動きたくないような日が続くと、元気を出すための漢方薬を飲む。するとやはり“無理が出来るようになる”ことを実感できる。元気を出すための漢方薬とは、参耆剤(じんぎざい)と呼ばれ、構成生薬の中に人参と黄耆が配合されているもののことを言う。参耆剤の代表格は補中益気湯(ほちゅうえっきとう) という薬で、それを夏バテ用にした物が清暑益気湯である。参耆剤は元気なときに飲むと、喉の辺りに甘ったるさを感じることがあるが、疲れているときにはその甘さが気にならない。そして数日飲むと“無理が利く”感じが少しずつ出てくることがある薬である。

堀口定昭(ほりぐち さだあき) 愛世会愛誠病院・下肢静脈瘤センター

2002年帝京大学医学部卒業、2008年より愛誠病院にて血管外科医として勤務しながら整形外科と漢方を学ぶ。
血管外科の外来で漢方薬を使うようになってから、本格的に漢方を学ぶようになり、2010年より血管外科と漢方内科を兼務。
日本外科学会専門医、日本脈管学会専門医。
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