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私自身の腹痛に対して試行錯誤した末の結論

[外科医が使って知った漢方薬の魅力「意外と効くもんだ」] 2011/04/12

私自身の腹痛に対して試行錯誤した末の結論

 昨年の夏は異常に暑かった。2010年、日本の夏の平均気温は1898年の計測開始以降最も高い記録となったらしい。
 そんな中どこへ行ってもクーラーがガンガンに効いていた。元来健康な私ではあるが、長くクーラーに当っていると腹痛に襲われ下痢をする。そのため自宅では極力クーラーを使用しないで扇風機に当って毎年の夏を過ごしていた。しかし昨年の夏はさすがに暑く、自宅でもクーラーを使用する頻度が高かった。
 夜寝るときは扇風機のタイマーをかけ、自動的に停止するようにして寝ていた。すると明け方には暑くなりついつい布団から無意識のうちに逃げ出してしまうため、寝冷えして朝方腹痛で目覚めトイレに閉じこもる日がしばしばあった。
 寝冷え対策として腹巻を薦められ巻くようになってからは、朝腹痛で目覚めトイレと仲良くすることは無くなった。しかし風呂上りに扇風機に当っていたり、アイスキャンディーを食べたりするとやはり腹痛が襲ってくることがある。いかにも“お腹が冷えて下痢しそう”という腹痛である。
 今まではそんなときに整腸剤を内服していたが、お腹のシクシクする感じが無くなるまでは改善しなかった。そこでエキス剤の当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)をポットから注いだ 100 ㏄ ほどのお湯に1パック(2.5 g )溶かして飲んでみた。すると15分くらいでお腹から背中にかけてポカポカと暖かくなり、腹痛が治まった。下痢もしなかった。
 そもそも当帰四逆加呉茱萸生姜湯には、体を温めるための生薬が多数配合されており、冷えのある人の下腹部痛や腰痛、冷えそのものに対して処方されることが多い薬ではある。 
 しかしこれ程まで即効性があるとは思っていなかった。自分自身冷え症ではないため、これまで進んで飲むことは無かった当帰四逆加呉茱萸生姜湯であったが、それ以来冷えた感じで腹痛が来るとこれをお湯に溶かして内服している。
 同様に体を温める効果がある葛根湯(かっこんとう)桂枝湯(けいしとう)も、冷えた感じの腹痛が来たときに試してみたが、私の場合は当帰四逆加呉茱萸生姜湯の方が楽になると感じている。

堀口定昭(ほりぐち さだあき) 愛世会愛誠病院・下肢静脈瘤センター

2002年帝京大学医学部卒業、2008年より愛誠病院にて血管外科医として勤務しながら整形外科と漢方を学ぶ。
血管外科の外来で漢方薬を使うようになってから、本格的に漢方を学ぶようになり、2010年より血管外科と漢方内科を兼務。
日本外科学会専門医、日本脈管学会専門医。
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