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代官山パークサイドクリニック 岡宮裕院長

[外来訪問] 2013/11/13

~漢方薬の新時代診療風景~
 漢方薬は、一般に知られる処方薬(西洋医学)では対処が難しい症状や疾患に対して、西洋医学を補完する使われ方も多く、今後の医療でもますます重要な役割を果たすと考えられます。
 近年、漢方薬の特性については科学的な解明が進んだこともあって、エビデンス重視の治療方針を取る医師の間でも漢方薬が使用されることが増えています。
 漢方薬を正しく理解して正しく使うことで、治療に、患者さんに役立てたい。日々勉強を重ねる、身近な病院の身近なドクターに、漢方活用の様子を直接伺いました。ドクターの人となりも見えてきます。

「ハートのある治療を」と開業を決意


(写真提供:代官山パークサイドクリニック)

 もともとは「自分の受けたい医療、自分が納得できる医療」を患者さんにも提供したい、という考えを持ったのが開業のきっかけでした。患者さんの言いなりになるとか、患者さんが「こうしたい」と言ったことを、考えも説得もせずに何でも受け入れてしまうことが患者さんのためになるとは思いませんし、「患者さんのため」と言いながら、マニュアルに沿っただけの医療をおこなうのは、あまりにハートがないなと感じたのです。本当に患者さんのためになる医療を、最高のハートを持ってしたい。そのためには西洋医学と東洋医学、それぞれの利点を活かした治療をするのがいいのではないかとそれまでの臨床経験から考え、漢方治療のできるクリニックを開業しようと決めました。
 そして2009年に「身体に負担の少ない、一人一人に最適な治療を提供する」を理念に、代官山パークサイドクリニックを開業。副作用の少ない、なるべく体にやさしい治療をおこなうことを基本方針とし、必要なときには即効性のある治療も選択するという臨機応変な対応を心がけています。
 現在は、1日にだいたい50~60人の患者さんが来院されます。多くは女性の患者さんですが、クリニックでは更年期障害の治療に力を入れていて、近年では女性だけでなく男性の更年期障害の治療にも注力しています。

臨床で、東洋と西洋の接点を知る

 母が産婦人科の開業医をしていたこともあり、幼いころは医師になる夢を持っていました。ただ、父がテレビのニュースデスクの仕事をしていたので、中学、高校のころはジャーナリストに憧れたこともありました。高校卒業後は一時期、スポーツカメラマンをしていたこともあったのですが、社会の厳しさを知り(笑)、医師を目指すことにしました。
 漢方に興味を持ったのは、母の影響が大きかったと思います。母は西洋医学だけでなく、漢方などの東洋医学にも興味を持っていました。また、私は子どものころぜんそくを持っており、よく漢方の煎じ薬を飲んでいたので、漢方はわりと身近なものだったのです。
 ただ、私が医学生だったころはまだ大学にも東洋医学科などはなく、卒業後、腎臓や高血圧などを専門とした内科医になってからも、大学病院でもほとんど漢方にふれることはありませんでした。ところが、出張先の病院や開業医の先生のところでは、非常に身近なものとして漢方が存在していました。そのような病院で診療にあたる中で、西洋医学と東洋医学の違いなどを知ることになったのです。
 西洋医学は、原因となる悪い部分を探し出し、その部分を治すための治療をおこなう医療で、マニュアルに沿っておこなうもの。仮に、野球で言うならば「優勝できなかったのは4番バッターが悪かったのか、エースピッチャーが悪かったのか」と個人の責任を追究し、チームのルールに則ってもっと良い人材を入れようとする、という感じなのかな、と私は思うのです。対して東洋医学は、体全体の流れをみて総合的におこなう医療で、ひとりひとりの患者さんに合う治療を考えるもの。「優勝できなかったのはチーム全体に問題があったからだ。来シーズンはさらに選手同士の理解を深め、一丸となって戦術を考えよう」といった感じでしょうか。もちろん、どちらにも長所と短所があるので、それぞれの良いところをうまく併用していくことが、患者さんのためになると思っています。
 例えば、患者さんが不調を訴えて検査をする。でも、異常が見つからないから精神的なものだろうと判断され、メンタルの治療をしたとします。しかしそれで症状がよくなっても、患者さん自身はどこか納得がいかず、自分が求めている医療と違うぞ、という気持ちを持っていることがある。人間の体は、絵に描いたようにキレイに割り切れるものではないので、西洋医学では解決しきれない部分もあるんですね。そのような部分に漢方を用いることで、患者さんに納得していただける治療ができることもあるのだと実感したのです。

西洋医学の即効性を代替することもできる

 漢方では体全体を見る必要があるので、治療においては、とにかく患者さんの話しをよく聞くことを心がけています。患者さんには何でも話していただけるような雰囲気を作りたい。内科だから内科のことしか診ないのではなく、体のさまざまな症状、精神的なこと、生活のことなどを聞き、舌診や腹診もして、トータルで診るようにしています。
 漢方治療のいちばんの魅力は、まず、患者さんの気持ちに寄り添った治療がおこなえること。前に述べたように、西洋医学では、症状があってつらいと思っても、検査の結果が正常だと「異常なし」になってしまいます。東洋医学では、例えば「気・血・水」の概念など、西洋医学とは異なる考え方で患者さんを見るので、患者さんの話しを聞き、よく観察し、漢方の理論と経験からよいと思われる治療を考えることができることができます。
 また、重篤な副作用が出にくいこともメリットの一つと考えています。もちろん、薬であることには変わりないので、病状や薬の効き方、副作用の有無などは慎重に、確実にチェックしていきます。
 漢方は体に優しいとか自然由来などと言われていることから、西洋医学の薬には即効性があり、漢方は効き目がゆるやか、と思っている人も多いようですが、漢方でも即効性のある薬は数多くあります。西洋医学の即効性を漢方で代替することもできますし、西洋医学にない点としては、漢方では体質改善し、根本からよくすることもできます。うまく併用することで、西洋医学の、いわば「穴」を埋めることができると私は考えています。
 一方で、例えば高血圧や脂質異常症など生活習慣病で漢方を服用している患者さんには、例えば悪玉コレステロールの値が180mg/dlもあるのに、「体調もいいし、薬も合っているから、これでいいんだ」と思ってしまうことがあります。しかし、内科医としてそこを見過ごしてしまうことはできませんので、しっかりダブルサポートできるよう注意しています。

「体にやさしい治療+生活改善=元気」が理想

 開業してからは、なかなか休みも取れません。もともと、旅行やカメラが趣味で、サッカーは見るのもするのも好き。漢方治療をしている身としては、中国に行って、いろいろ見たり学んだりもしたいし、フランスやイタリアなど、海外旅行をして好きなワインを飲みたいというのもあります。サッカーは、ジュビロ磐田の熱狂的ファンで、以前は年間シートも持っていたのですが、今は旅行もサッカーも、好きなことをする時間はほとんどない状態ですね。
 でも、「患者さんのために」と始めたクリニックですから、これからもここで患者さんのことを考えていきたいです。最近、診察をしていて思うのですが、女性、とくに若い世代の女性の腹力が低下している感じを受けています。腹力とは、触診して腹壁の張りを診ることでわかるのですが、腹力が弱いということは、元気がないということにつながります。時代のせいなのか、食事やストレスのせいなのか、はっきりした原因はわかりませんが、気がかりです。
 そのような患者さんたちに元気になっていただくために、漢方薬と、漢方と発想が近い注射薬や西洋医学の薬などをうまく組み合わせて使っていきたいです。理想は、体にやさしい治療と生活習慣の改善でよくなること。医食同源の発想で、体の内側から元気に、健康になってもらえる医療を目指していきたいと考えています。

代官山パークサイドクリニック

医院ホームページ:http://www.parksideclinic.jp/

東急東横線「代官山」駅北口より徒歩2分。待合室にある大きな窓からは街路樹の緑がよく見え、待ち時間をゆったりリラックスして過ごすことができます。
詳しい道案内は、医院ホームページから。

診療科目

内科

岡宮裕(おかみや・ゆたか)院長略歴
1990年 杏林大学医学部卒業 慶應義塾大学内科入局
1992年 横浜市立市民病院
1994年 伊勢慶応病院
1997年 静岡赤十字病院
2000年 浜松赤十字病院
2001年 練馬総合病院
2009年 代官山パークサイドクリニック開設
2011年 海外渡航前医療センター併設
■資格・所属学会他

日本内科学会、日本東洋医学会、メンズヘルス医学会、日本渡航医学会、日本体育協会公認スポーツドクター、東京都アーチェリー協会専門委員(医事)、等

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